新しいNISAは何が変わった? 初心者におすすめ「つみたて投資枠」のメリットと金融口座の選び方
2024年1月から新制度がスタートしたNISAは、20~30歳代の利用者も多く、注目を浴びています。新年度を迎えていざ新たに貯蓄を始めるにあたり、じつはどのようにNISAを運用したら良いのかよくわからない、という方もまだまだ多いでしょう。そもそもNISAって何? どんな点に気をつけたらいいの? そのポイントを『改訂版 マンガでわかるNISA&iDeCo入門』(新星出版社/鈴木一之 監修)から解説します。
NISAでは、年間合計360万円、全体で1800万円が無期限で非課税に!
そもそもNISAとは、「貯蓄好き」といわれる日本人に、お金を運用(投資)することで、自ら積極的に資産づくりをしてもらうよう促すため、国が投資に関する有利な条件を設定してつくった制度です。 株や投資信託で、お金を運用(投資)すると、その売買で儲けたお金(売却益)や、もっている人がもらえるお金(配当金、分配金)など、運用で得た利益(運用益)には税金がかかります。その税率は20%以上とかなり高め。10万円の利益が出ても手元に8万円弱しか残りません。この税金を「ゼロ円」にする方法が「少額投資非課税制度」=「NlSA(ニーサ)」です。 NISAには、「決められた少額までの投資額(投資枠)で得た「利益」に対して、本来20%以上かかる税金がゼロになる、という大きなメリットがあります。2024年スタートの新しいNISAには、中身の異なる2つの枠、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。2つの枠は、投資の限度額も非課税の期間も、従来のNISAより拡大されているので、投資をするならぜひ利用したい制度です。 新NISAでは、それまであった制度の併用や口座開設期間・保有期間の制限がなくなり、利用する人の運用(投資)方針や目的に応じて使い分けたり、併用することもできるようになりました。 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の最大の違いは、投資の方法です。枠の名前にもなっているように、つみたて投資枠は積み立てによる投資しかできませんが、成長投資枠では一括による投資ができます。また、成長投資枠では、上場株式なども買えるのに対し、つみたて投資枠では決められた投資信託などしか買えない点も大きな違いです。このような違いから、大ざっぱにいうと、つみたて投資枠は将来に向けた資産づくりに向きます。また成長投資枠は、値上がり益をねらった、積極的な投資に向くというのが特徴です。 いずれにしても、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円、合わせて360万円、全体で最大1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)の投資で得た利益が税金ゼロ、しかも非課税期間は無期限になります。