食糧危機はプーチンに時の利か――黒海封鎖という最強の武器
オデッサ港の穀物輸出ターミナル。サイロ(貯蔵庫)などの設備が見える。ウクライナは小麦の収穫期に入っているのだが、ターミナルは稼働していない @Adobe Stock
ウクライナ外相のドミトロ・クレバが6月中旬に米誌フォーリン・アフェアーズへの寄稿で嘆いた。 「アフリカ、アラブ、アジアの政府高官と話すと、最初は全面的な支持を表明してくれる。だがその後態度を変えて抵抗をやめたらどうかと促してくる。要するに皆ウクライナからの穀物を欲しいのだい」 こんな話を聞くと「なんと弱腰な」とクレバに同情する。だが、パン不足が反政府暴動に直結する途上国政府からすれば、「戦争よりも穀物輸出を」という本音は切実だ。
本文:3,787文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
杉田弘毅