鹿児島県・徳之島民謡研究会27周年記念発表会、民謡・島唄を後世に
【徳之島】日本民謡協会徳之島支部「徳之島民謡研究会」(中島清彦会長、会員22人)の結成27周年を記念した発表会が24日、天城町生涯学習センターであった。同島を代表する「徳之島一切節(ちゅっきゃいぶし)」の合同演奏を皮切りに老若男女の会員ら21組が出演し、日頃の伝承活動の成果を披露して魅力をアピールした。 徳之島民研は1998年1月、先祖が紡いだ島唄文化の発掘と後継者の育成に尽力した故・治井秋喜氏(徳之島町)が指導者有志たちと結成。民謡民舞全国大会出場への〝登竜門〟同大島地区連合大会(予選)条件も得るため日本民謡協会支部加入も実現。日本一をはじめ多くの全国上位入賞者を輩出している。 27周年記念大会には幅広い世代の民謡ファンら約150人が見守る中、出演者全員による「徳之島一切節」の合同演奏で開演。全国大会・壮年の部入賞の中島会長(71)=天城町岡前=が祝い唄の「朝顔節」をしっとりと披露して魅了した。 中島会長は開会あいさつの中で「島で『一切節』を耳にしたことがないという人もおり、曲が街に流れることも少ない」と現状を懸念。「島口文化の伝承のためにも後継者を増やし、島の民謡・島唄がどこでも聴けるようにしたい」と協力を求めた。 発表には、小学生ペアの豊結菜、奥梨々花さん(徳之島町)の「とちぶるの唄」やベテランの泉サダ子さん(87)=天城町=の「徳之島節」まで幅広い世代が出演。徳之島町の富田保子さん(74)は、同町花徳地区に埋もれていた「カニュサマ節」を発掘・採録して一部を披露した。プログラム最終は全体踊りの「ワイド節」と「六調」で締めくくった。