“エビの尻尾”でびっしり! 凍てつく「剣山」の稜線美【百名山】
今回は長野県から徳島県への遠征山旅である。「百名山は一生のうちに登っておきたい」とコツコツと進めているのだ。 ◆【画像】「出会いたかった剣山の絶景」凍てつく樹氷の世界(すべての写真を見る) 剣山(つるぎさん)は、西日本にある日本百名山の15座のうちの1つ、石鎚山に次ぐ第2の高さを誇る標高1,955mの山である。登山口から中腹まで登山リフトで上がることができ、日本百名山の中で最も登りやすいと言われている。しかし、冬の間はリフトが動いていないので山頂までの道のりは遠くなる。その反面、静かな山歩きができると期待して行ってきた。危険箇所もなく、雪山初心者にも挑戦しやすい山だった。冬山は夏山と違った絶景が至る所にあり、感動の連続である!
■初めましての剣山
劔神社のある見ノ越登山口から登る計画でマイカーで向かったのだが、最後のコンビニから1時間ほどは山道になり、道幅の狭い箇所もある。日常的に運転していて山道に慣れている私でも「なかなか大変な道」という印象だった。またスタッドレスタイヤやチェーンは必須である(登山口に仮設トイレあり)。 この日(12月10日)は、駐車場から雪景色で、チェーンスパイクを装着し、6時とはいえ真っ暗なのでヘッドライトも装着する。劔神社の階段下で、太鼓とお経の音が聞こえてきたことにはちょっと驚いた。劔神社にお参りをしてスタートする。お山に入る時はいつも「お邪魔します」と心の中で挨拶をしている。「良い景色に出会えますように」
■凍てつく樹氷の世界
雪道を行くとサクサク、ムギュッといい音がする。前日にもたくさんの人が訪れていることが伺える。だんだん明るくなってきて、ヘッドライトが必要なくなると、見渡す限り真っ白な美しい世界であった。ガスの中でもあり、居るだけで凍ってしまうような寒さの中、なだらかな歩きやすい道を黙々と歩いて標高を上げていく。鹿の群れにも会い、キョトンとした顔で覗かれた。雪道もだんだんフワフワになってきて一歩一歩が気持ちいい。 1時間ほど歩くとリフトの終点、西島駅に着いた。ここからさらに1時間ほどで山頂に到着予定だ。登りは大剣神社ルートを選んだ。足取りもかるくなるが、汗をかかない程度に進む。汗冷えしないことが防寒の必要不可欠な対策となる。