「HOME MADE 家族」KUROがドルフィンズのホーム・ドルアリとドルファミをアツくする【バスケB1】
“ドルアリ名物”約10分間の「KUROタイム」
◇名古屋ダイヤモンドドルフィンズ特集「RED PASSION」 昨季から名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(名古屋D)のホーム・ドルフィンズアリーナ(ドルアリ)で、ヒップホップグループ「HOME MADE 家族」のKUROがメインMCを務めている。チームと「ドルファミ」ことドルフィンズファミリーをつなぐ存在として、ドルアリの一体感を生み出している。「バスケとライブの両方を楽しんでもらえるような空間にしたい」と音楽のライブのように会場を盛り上げるKUROの思いを聞いた。(広瀬美咲、唐沢裕亮) KUROのMCが“ドルアリ名物”として定着してきた。試合前のチア、MC陣の紹介、応援練習を詰め込んだ約10分の「KUROタイム」に凝縮されている。AK―69の楽曲に合わせた定番の応援練習。「赤いもの見せて!」のかけ声とともに、会場が真っ赤に染まる。タオルが揺れる。 締めにはライブの「コールアンドレスポンス」を盛り込み、交互に「ダイヤモンド」「ドルフィンズ」と声を掛け合う。たちまち会場は熱気に包まれた。シンプルにしたのは「おじいちゃんおばあちゃんや子供がすぐ参加できないと意味がない。ドルファミは家族連れが多いので、簡単であることが大事」という思いからだった。
来年オープンのIGアリーナもイメージしながら
サブMCの堀江美穂さん、アリーナDJのKOSKEさんを紹介するコーナーも設け、3人の掛け合いや「わちゃわちゃ感」も大切にしている。「メインはバスケなので、裏方という意識はありつつ、スタッフも愛されるキャラとしてアイデンティティーを持っていくのは大事にしたい」 MCとなったのは「わらしべ長者」のような偶然が重なった。約2年前、ひょんなことから、飲み会で知り合った男性の結婚式の司会を引き受けることになった。その新郎が、Bリーグの関係者だった縁で、名古屋DのMCの仕事につながった。 「ようこそドルアリ!」 お約束のあいさつ。アウェーチームのファンさえも盛り上げる。KUROは音楽フェスでの経験を口にした。たまたま彼氏に連れてこられた彼女が、最初はつまらなさそうにしている。自分たちのライブを体感して、最後終わった時には彼女が手を挙げて楽しそうにしていた。そんな光景を何度も見てきた。「フェスと一緒だと思う。ホーム(ドルアリ)の素晴らしさに気づいちゃったアウェーのファンがいたらこっちの勝ち」と笑う。 今季は会場のBGMやチアのパフォーマンス時の楽曲編集など、音楽面でより深く関わるようになった。NBAの試合を見て演出をメモしたり、千葉県船橋市のららアリーナ東京ベイなど新アリーナにも足を運んだ。スピーカーや照明の数、チアの人数や配置など「(来年オープンのホーム)IGアリーナでやるならこういうのもありだな」とイメージを膨らませながら、演出の参考にしてきた。 蓄えた引き出しも多い。今季中にも演出を変える予定がある。チアのパフォーマンス楽曲の一部変更、さらにシーズン終盤には「選手紹介ラップ」を投入する。昨季も選手の特徴をKUROさん自らが作詞してラップに落としこんだ。今季はバージョンアップした新作を書き下ろしている。 現在「HOME MADE 家族」のグループ活動は休止中。名古屋DのMCを務めるようになり「音楽のモチベーションも上がった。僕らは明日なき世界で、スポーツ選手も短いキャリアの中でやっていて、発言とかも僕自身鼓舞される」と刺激を受けている。音楽の経験を融合させながら、名古屋DのMCとして冬の会場をもっともっと熱くさせていく。