10秒08で日本選手権の男子100mを3年ぶりに制したサニブラウンは進化しているのか…「自分は弱い」と発言
キャリア3度目の9秒台には届かなかったものの、サニブラウンは4度目となる世界選手権の代表に内定した。昨季はヘルニアによる腰痛に苦しみ、「身体にガタが来ている状態で走っていた」という。コンディション不足は明らかで、日本選手権は6位に沈んだ。東京五輪は200mで出場するも予選で落選した。 今季は3月に10秒15(+0.4)でシーズンインすると、4月末には追い風参考記録ながら10秒08(+2.1)をマークした。ヘルニアは完治したが、リカバリーの途中ということで、日本選手権は100mに集中。狙い通りの順位を勝ち取った。 しかし、レースを終えたサニブラウンは、「勝てたのはいいけど、自分弱いなっていうのがめちゃくちゃ出たレース」と不満顔だった。 「ちょっと駄目ですね。30mからは良かったんですけど、そこから作り上げていく時点ですでに違うなっていうのがある。世界トップの人たちと走るには、前半で置いていかれたら話にならない。スタブロ自体は悪くなかったと思うんですけど、今回も反応が遅かった」 準決勝が終わった後も「ちょっと反応が遅すぎる」と漏らすと、米国で使用しているスターティングブロックとの違いに戸惑いを見せていた。 サニブラウンのスタート反応時間は予選が0秒162、準決勝が0秒159、決勝が0秒157。決勝メンバーのなかでは最も遅かった。決勝で反応時間が一番速かったのは坂井で0秒131だった。 ただし、どんなにスタートで出遅れても、国内レースに敵はいなかった。 「しっかりと自分のリズムで加速することができた。その部分は自分よりも速い人たちと練習しているのが生きているのかなと思います」 拠点のフロリダでは9秒76の記録を持つトレイボン・ブロメル(米国)らとハードな練習を重ねてきた。加えて、今季はフォームや練習内容も模索しながらやってきたという。10秒05のオレゴン世界選手権の参加標準記録すら届かない日本人選手は眼中にないようだ。 「いつも練習してるやつは9秒8で走るんで、そこにちゃんと食らいついていかなきゃなという感じですね。トップで戦う選手はメンタリティから違う。私生活の部分もそうですし、学ぶことがいっぱいある。毎日いろんな発見をしながら和気あいあいとやっています」