さらば、愛しき俺たちの「原チャリ」(泣)! 排ガス規制の影響で、ついに盟主ホンダも50cc以下のバイクの生産を終了!!
――ちなみにスーパーカブは今後どうなります? 青木 スーパーカブはもともと110と50で車体の基本構成を共通化するなどしているので、新原付に対応するのは決して難しい話ではありません。配達業などの需要もあるので、生き残る確率は高いと考えています。 一方で、将来的には新原付の主流は電動モデルになるかもしれません。JMS2023にスズキが参考出品したeチョイノリ、すでにホンダが発売しているEM1e:などですね。 ■スーパーカブ50の争奪戦が勃発!? ――ズバリ、歴代の原チャリの名車を挙げるならどれ? 青木 原チャリとは一般原動機付自転車の俗称。その原点ともいえるのがホンダのF型カブ! このモデルは別格です。"白いタンクに赤いエンジン"がF型カブの特徴で、国民の足としてニッポンの高度経済成長期を支え、爆発的ヒットを記録しました。 バイクジャーナリストとして、これまでさまざまなモデルに試乗してきましたが、感涙したのはF型カブだけです。ただ、ほかにも愛しき名車があるので、詳しくは記事末の5選をご覧ください。 ――では、最後に原チャリとの別れを惜しんでください。 青木 原チャリの免許は、16歳になったら筆記試験だけですぐに取得できます。僕も16歳になり即免許を取りました。スクーターだけでなく、マニュアルミッション車もあり、クラッチワークやシフトチェンジを覚えられたのもいい思い出ですね。 ――ほかには? 青木 何より自分の責任において、ひとりで公道を走る。原チャリという乗り物は"オトナへの最初の一歩"だった気がします。いずれにせよ、原チャリで走り出したときの感動は今も忘れません。 ――そういえば販売店で仕入れた話があるとか? 青木 すでにスーパーカブ50への駆け込み需要が始まっているようです。ちなみに生産終了時に発売されることの多い、"ファイナルエディション"がもしスーパーカブ50に登場したら大争奪戦は確実です。時間がたてば、中古車市場で50㏄モデルの高騰も予想されます。買うなら今です! 【青木タカオが勝手に選んだ! 愛しき原チャリ5選】 「ホンダ ドリーム50」(1997年) 往年の「CR110カブレーシング」を彷彿とさせる超本格派スポーツ。緻密なハイメカニズムがブチ込まれたドリーム50は伝説のマシン! 「ヤマハ RZ50」(1981年) 軽量高剛性のダブルクレードルフレームに、6速クロスミッションを採用した水冷2ストエンジンを搭載する過激な原チャリスポーツ! 「ホンダ ジャズ」(1986年) ハーレーといえばアメリカン。アメリカンといえば大排気量だが、常識破りの原チャリとして1986年に爆誕! 世の男たちを狂喜させた 「ホンダ モンキー くまモンバージョン」(2014年) 熊本県のPRマスコットキャラクターである「くまモン」が車体にあしらわれた逸品。こうした遊びゴコロも原チャリの魅力である 「ホンダ スマートディオZ4 阪神タイガース スペシャル」(2003年) 03年に優勝を決めた星野仙一率いる阪神タイガース。顧客の夢をホンダモーターサイクルジャパン大阪支店が実現し、限定120台で発売 写真提供/ホンダモーターサイクルジャパン ヤマハ発動機 取材・文/週プレ二輪班 撮影/長谷川徹 宮下豊史