〝幻の魚〟クエ 出荷シーズン到来 冬の味覚、味わって 静岡県温水利用研究センターで養殖
魚介類の種苗生産に取り組む御前崎市佐倉の静岡県温水利用研究センターで、完全養殖しているクエの出荷シーズンを迎えている。クエは希少性から〝幻の魚〟と呼ばれる高級魚。今季も身が引き締まり、良質に育ったという。御前崎クエ料理組合に加盟する市内の店舗や旅館で提供している。 10日午前9時ごろ、飲食店の店主らが同センターを訪れると、職員がいけすの中から重さ約1・5キロのクエを網で捕獲し、出荷作業に追われた。鮮度を保つためその場で血抜きも行い、下処理を施した。鈴木吉典所長は出荷したクエについて「天然物と比べると小さいが、味は劣らない」と語った。 同組合には現在9店舗が加盟している。同市池新田の飲食店「割烹かいづか」の店主貝塚好行さん(47)は「クエは鍋や刺し身、煮付けもおいしい。冬の味覚を味わいに御前崎市に来てほしい」と呼びかけた。 クエ出荷は3月まで。
静岡新聞社