人生「切り替え」が大事 ── いま関西の「びっくりドンキー」でおなじみの顔、料理研究家・足立敦子さん
ドキハキハンバーグで話題。料理研究家・足立敦子さんの生き方
「よく『小さい頃から料理好きやったんですか~』って聞かれるけど、やり始めたんは料理学校行ってからで、いっこもやってへんかったわ」と明るく話すのは料理研究家の足立敦子さん(60)。NHK「きょうの料理」などのテレビやラジオの料理コーナーで知られ、最近では自身が出演するラジオ番組と近畿地方のハンバーグレストラン「びっくりドンキー」がコラボし2月末まで販売するハンバーグを考案。各店に彼女の顔が載ったポスターが張られているため、顔を見てピンとくる人も多いかもしれない。しかし、料理好きでなかった人が、どうして、このような道へ進んだのか。
初就職は3週間もたず、新聞きっかけで料理の道へ
大阪府藤井寺市出身。学生時代は部活のバレーボールに明け暮れ、料理にはまったく興味がなかったという。学校卒業後に、一度は知り合いの紹介で薬品会社に就職したが3週間もたず退職した。「辞めたけど、何かせなアカン」。そう考えていたとき、たまたまみた夕刊で「調理師専門学校の生徒募集」という広告を見た。 「これやっ」と思いすぐに、当時の辻学園日本調理師学校に応募。「料理が好きとかやなかったけど『手に職』をつけなアカンと思ったんで応募したんですわ。専攻は『教師コース』でした」。教師コースとは、簡単に言えば学校へ残って後輩たちに教える立場へとなるためのもの。和食から西洋、中国料理の家庭料理全般を学べることから決めたという。 後に学校へ残り、助手などの仕事を経験。「毎日が変化があるのが発見で楽しかった。それと、教壇に立つのを目指して頑張ろかという思いにもなったし」。後に同校の日本料理セクションの教壇へたつことができた。
多くの卒業生輩出、テレビ番組の料理コーナー担当へ
その後、クッキングスクールへ移動し、阪神百貨店にあった辻クッキング阪神校校長に就任した。当時人気のグルメ番組「あまからアベニュー」(MBS毎日放送)のフードコーディネーターとして、食事の準備や試食などの仕事も担当した。多くの卒業生を輩出し、今では多くの教え子たちが店を出すなど各地で活躍もしている。 そして19年10か月間務めてきた学校を退職し、フリーの道を歩んだ。その直後、ABC朝日放送の「ワイドABCDE~す」料理コーナー出演の依頼が来た。 「ABCとは当時ご縁がなかったんで、最初連絡が来た時はイタズラやおもたんですけどね(笑)。料理中継とか、これも新鮮で楽しかったですわ。後に、スタジオでコーナーを立原啓裕さんとやらしてもらいました」。ここから世界が広がり、NHK「きょうの料理」にも出演。短大での非常勤講師も務めている。 このほかにも、先の「あまからアベニュー」の後番組である「水野真紀の魔法のレストランR」でも引き続きフードコーディネートの仕事を引き受け、ABCラジオ「ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です(ドキハキ)」では、三代澤アナと火曜日パートナーとして出演し、料理コーナーを担当。各地での料理教室で講師の仕事もこなし、1年365日フル回転に動いている。