JR九州、車両見学会の準備、夜行列車、SLなど、映像NFTシリーズの販売開始
九州旅客鉄道(JR九州)は9月9日、新たなNFT(非代替性トークン)シリーズ「JR九州トラベルデスクNFT」の販売開始を発表した。このシリーズは、JR九州が展開するNFTプロジェクトの最新作で、鉄道関連のデジタルコンテンツを新しい形で提供することを目指している。 過去に実施された珍しい鉄道ツアーやイベントの映像をNFTとして提供、ツアーに参加した人たちにとっては思い出を、参加できなかった人たちには疑似体験の機会を提供する。JR九州は、このプロジェクトの目的は、顧客との新たな接点を構築し、鉄道の新しい楽しみ方を提案することにあるとしている。 4種類の動画NFT シリーズの第一弾として、4種類の動画NFTが販売されている。 「車両見学会前日準備NFT」は3000円(税込)で63個限定販売され、「415系鋼製車」や「キハ66・67形国鉄色&シーサイドライナー色」の車両見学会の準備風景を収録。63個という数は、キハ66・67形ラストラン2021年6月30日にあやかっている。 「夜行列車NFT」は1000円(税込)で、夜行列車に使用された50系客車にあやかって、50個の限定販売。終電後の駅の珍しい光景を車窓から撮影した映像が特徴。 「SL人吉車両見学会NFT」は4000円(税込)で86個限定販売され、蒸気機関車58654号機の見学会の様子を収録。転車台での回転シーンや汽笛の吹鳴シーンなどが収められている。86個は、蒸気機関車58654号機の愛称86(ハチロク)から。 「SL人吉の表情NFT」も価格は4000円(税込)で86個の限定販売。SL人吉の多様な表情を縦型動画で収録しており、煙室戸を開けた珍しい映像も含まれている。86個は前述のとおり。
「鉄道×NFT」新たな可能性
このプロジェクトは、鉄道業界におけるNFT活用の新たな可能性を示している。単なるデジタルアートやコレクティブルを超え、実際の体験や歴史的瞬間をデジタル資産として保存し、共有する手段としてのNFTの価値を提案している。 従来の鉄道ビジネスモデルに、デジタル資産販売という新たな収益源を追加している点も見過ごせない。 過去にも「プラレールとのコラボレーションNFT」や「SL人吉 ラストラン記念きっぷNFT」の販売を行うなど、JR九州の試みは、伝統的な産業とブロックチェーン技術の融合の一例として、NFT市場と鉄道業界の関係者から注目されている。JR九州は、今後も鉄道を活用した新たなNFTコンテンツを提供していく予定と述べている。 |文:栃山直樹|画像:リリースから
CoinDesk Japan 編集部