トランプ再選で「台湾軽視」加速? 日本企業3000社以上進出、有事リスクをどう捉えるべきか
トランプ圧勝の現実
11月5日に行われた米大統領選の結果、共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利した。選挙戦をめぐるこれまでの世論調査ではトランプ氏と民主党候補のカマラ・ハリス氏の支持率は拮抗(きっこう)し、まれに見る大接戦になるだろうとの見方が強かったが、開票作業が始まるとトランプ氏の優勢はすぐに顕著に表れ、結果を見ればトランプ氏の圧勝だった。 【画像】「なんとぉぉぉぉ!」 これが自衛官の「年収」です! グラフで見る(8枚) トランプ氏は選挙戦の鍵を握るといわれたペンシルベニアやジョージア、ウィスコンシンやノースカロライナなど七つの激戦州全てで勝利し、過半数の270人を大きく上回る312人(116%)の選挙人を獲得し、ハリス氏は226人にとどまった(トランプ氏の72%)。 トランプ氏の圧勝は、裏を返せばバイデン政権の4年間にジャッジが下されたということでもあり、敗退を喫した民主党からは、バイデン大統領がもっと早く選挙戦からの撤退を決めていればこのような結果にならなかったとの不満も上がっている。 2025年1月にトランプ政権が再発足することになったわけだが、第2次トランプ政権はどういった対外政策を進めていくかに世界の注目が集まっている。そして、そのなかでひとつ懸念されるのが 「台湾情勢」 の行方だ。
台湾進出の日本企業3000社超え
日本企業にとって台湾は重要な進出先のひとつで、現時点で 「3000社以上」 の日本企業が進出している。大手自動車メーカーも長年進出している。2024年9月、トヨタ自動車がミニバンのノアとヴォクシーを2026年から台湾の車両生産工場で新たに生産を開始し、それを日本に輸出する計画を検討していることがわかった。 ノアやヴォクシーは日本国内にあるトヨタの工場でも生産されているが、トヨタは安定的な車両の生産と供給を維持する観点から、国内と海外で同時並行で生産する体制を強化する狙いがあると見られるが、日本向けの車が国内と海外で並行して生産されるのは異例だ。 また、日産自動車は11月、世界で生産能力の2割、 「9000人規模」 を削減する経営再建計画を発表したが、それを受け日産とユーロン・モーターの合弁企業である裕隆日産汽車は現在の400人体制から12.5%ほど削減し、350人体制にする。日産自動車は大規模な人員削減を実行に移すが、台湾が引き続き重要な市場であることは変わりはない。