「手取り増」実現できる?「103万円の壁」引き上げで働き控えは?約7.6兆円の税収減も…【#みんなのギモン】
■30年で「最低賃金」約1.73倍も…「年収の壁」は変わらず
菅原解説委員 「現在の103万円の壁になったのは1995年です。そこから約30年がたっていますが、この間に、パート・アルバイトも含めた『最低賃金』は、約1.73倍に上がりました。一方で、103万円の壁の方は、1円も上がっていない、ということで、これを最低賃金と同じく約1.73倍して、178万円まで上げようというのが国民民主党の主張なんです」 「物価が上がっているのに30年も壁が上がっていないのはおかしいじゃないか、ということで、選挙中から玉木代表たちはこれを、現実に合わないまま放置されてきた『ゾンビ税制』と名付けて批判してきたんです」 忽滑谷こころアナウンサー 「内容は死んだも同然なのに、まだ生きている制度、ということで『ゾンビ税制』だと思うのですが、改めて見てみると、変わっていないのがおかしいなと感じますね。もし103万円から178万円に引き上がった場合は、年収の壁を気にせずに働ける人も増えると思いますが、実現は可能なのでしょうか?」 菅原解説委員 「気になりますよね。ここまで良い面をお伝えしてきましたが、もう1つのポイントを見てみましょう」
■「103万円の壁」引き上げで税収が約7.6兆円減収の見込み
菅原解説委員 「103万円の壁を引き上げることに政府与党内には批判的な意見もあります。まず『壁を引き上げると、高所得者の方が得をすることになり、不公平感が出る』という意見です。収入が多い人ほど、控除の金額が大きくなり、減税の恩恵を大きく受けるということなんです」 鈴江キャスター 「それだけ多くの税金を納めているから…ということでもありますよね」 菅原解説委員 「また、玉木代表が言うように、納税者全員の壁を75万円ずつ引き上げた場合、政府の試算によると税収が『約7.6兆円』減収となる見込みだということなんです。では、その穴埋めとなる財源は一体どうするのか。まさにそこが今後の焦点となりそうです。また、別の閣僚経験者からは『非正規(で働く人)がどんどん増える』という声も出ています」