【動画】北陸新幹線の新型車両「W7系」お披露目。総合車両所も公開。見学の県民らから「かっこいい」
2015年春に長野~金沢間が開業予定の北陸新幹線。その際に使用されるW7系車両と石川県白山市に建設中の「白山総合車両所」が22日、同車両所で公開された。「和」をテーマに作られた車両内は、所々にそのこだわりをみせており、担当者は「快適な旅をご提供できます」と自信をのぞかせる。また、あいにくの雨の中での公開となったが、新型車両が実際に動いて移動する姿がみられ報道陣がいっせいにカメラを向けたり、同日は石川県が募った一般見学も行われるなど、にぎやかなお披露目の場となった。
「和」をモットーにデザインされた車両の中も公開
今回公開された車両は、北陸新幹線のために生まれた新型車両「W7系」。先頭車両の形状は、上部に空の青さを表した「空色」、帯色には「銅色」を使っている。「日本の伝統工芸である銅器などの色を表現した」と話すのは車両部車両設計室の則直久室長。「和」をモットーにデザインされており、「様式美の和」をテーマにモダンなカラーイメージと「ゆりかご」のように動作するシートが特徴的。一部に土壁色を使うなど、徹底した和のこだわりをみせている。 また、「人と空間の和」をテーマに作られたグランクラス車両のデッキには、布地の質感をイメージさせるパネルを配置し、日本の春夏秋冬がデザインされている。「融合する」「高めあう」「集う」「和風の」といった様々な価値をインテリアデザインとして表現している。読書灯の調節もできるなど快適な旅を楽しむことができる。則直室長は「車内にはゆっくりとくつろげる設計のリクライニングシートを用意しました。快適な旅をご提供していきます」と自信をのぞかせていた。 普通車両も「彩りの和」をテーマに明るい空間となっていた。普通車では初めて全ての座席に「電源コンセント」が設置されているため、旅の最中に便利なものとなっている。
「兼六園2.2個分」の広さをもつ車両所も公開
車両とともに今回公開された「白山総合車両所」は、JR金沢駅から南へ12キロの場所にあり細長い形。広さは約26ヘクタールで東京ドーム5.5個分。担当職員によると、石川県民には「兼六園2.2個分」と説明すると喜ばれるという。国内では福岡県の博多総合車両所、宮城県は仙台にある新幹線総合車両センター、熊本県の熊本総合車両基地に次いで4番目の車両所となっている。 この広い車両所では「新幹線の留置」「車両の点検・検査」という2つの大きな機能を備えている。また、車両の雪害対策として、一部検査場には東海道新幹線などにはない「屋根」を取り付けている個所もあるという。職員は「この車両所はまだ完成していませんが、とても広く移動には時間がかかりそうなので、その手段を思案中です」などと苦笑しながら話す。また、別の職員は「もうほぼ完成に近い状態です。もちろん来春の開業までにはしっかりとした形で完成させます」と話していた。 公開の途中に、新型車両が動く光景がみられた。同車両所内をゆっくりと進んでおり、報道陣らは一斉にカメラなどで撮影。ふりしきる雨の中、W7系はその雄姿をみせつつ車庫内へと移動していった。
見学の市民らから「車両かっこいい」の声
同日は、石川県が公募した一般の見学も行われ、大勢の人の前でW7系車両が披露された。 バスで訪れたたくさんの県民からは「この車両かっこいい」「こんなに大きな車両所なんだ」「まわりは田んぼが広がっているんだね」などの歓声が多く聞かれる。また、車両の間近へ行っては「これに早くのりたいね」などの声も多くきかれた。 同車両所の橋本一郎所長は「私たちは新幹線の安全を守るためメンテナンスをしっかりして、お客様に利用していただくようがんばっていきたい」と意気込みをみせていた。