生産性20％向上…鹿島がダム堤体打設工事に導入、タワークレーン遠隔操作の効果
鹿島は5日、タワークレーンの遠隔操作システムを成瀬ダム（秋田県東成瀬村）の堤体打設工事に導入し、作業効率化と安全性向上の効果を確認したと発表した。タワークレーンの自動運転システムや車両運行管理システムと組み合わせてコンクリート打設を行った結果、生産性が従来比で約20％向上した。今後は橋梁などダム以外の工事に広く導入することを目的に、検討を進めていく。 同社や竹中工務店などが開発した「TawaRemo」は、地上に設置した専用コックピットから従来のタワークレーンの運転席と同等の作業性で遠隔操作できる。同システムと長時間連続の繰り返し作業が可能な「自動運転システム」、工事用車両などの安全・運行管理をリアルタイムに行う「スマートG―Safe」を組み合わせた。 成瀬ダムの工事に導入したところ、オペレーターの移動時間を1日当たり65分短縮するとともに、クレーン稼働時間が約16％向上。高所にある従来の運転席への昇降が不要になり、作業環境も大幅に改善した。1回当たりの作業時間は、従来に比べて平均で約30秒短縮。また、コンクリートの平均打設速度が約5％向上するなど作業の効率化を実現した。
