ゆりやんレトリィバァが語る「『極悪女王』での青春の日々」――自分らしく生きていくことが芸人
もちろん身体作りにあたってはネットフリックスさんも徹底的にサポートしてくれました。月一度の健康診断や血液検査などを実施してくれたり、トレーニングや食費面も支えてくれたりしたので、安心して増量することができました。今は撮影が終わったので減量中です。
一緒に青春を過ごした仲間のような関係
――「極悪女王」は紆余曲折ありながらも最終的にはシスターフッドの物語でしたね。唐田えりかさん、剛力彩芽さんはじめキャストの皆さんとの連帯感はいかがでしたか?
ゆりやん:唐田さんや剛力さんをはじめプロレスラー役のみんなとは、プロレスを教わるため長与千種さんの女子プロレス団体「Marvelous」さんの道場へ毎日通っていました。練習の日々は本当に部活で青春しているみたいで。だから撮影の日も「今日は試合シーンの撮影やな」じゃなくて「今日は試合やな」って普通に話していたり(笑)。そんな中で形成された関係性や会話が役ともピッタリはまっていたので、みんなお芝居しつつも役の中に素の自分が生きているような感覚でしたね。みんな、一緒に青春を過ごした仲間のような関係です。
――本作では男性経営者に搾取されながらも勝ち上がり、自分を貫く女性たちの姿が描かれていました。お笑いの世界も男性社会という印象が強く、その中で活躍の場を世界に広げていくゆりやんさんの姿がダンプ松本さんと重なったのですが、ストーリーに共感する部分はありましたか?
ゆりやん:登場人物の強さや優しさなど人間的な部分に尊敬や共感する部分はたくさんありますが、特に感情移入したのが松本香さんからダンプ松本さんに覚醒するところです。覚醒前の松本香さんは、自分がうまくいかない中で周りの子たちがどんどん売れていく姿を見ていて苦しかっただろうし、人のせいにせず自分を責め続けていて本当につらかったと思うんです。
その後覚醒して、悪役メイクをして初めてリングに立った時に「帰れ!帰れ!」というコールを聞いたわけですよね。普通は「帰れ」と言われるなんて嫌ですが、ダンプさんはその時に初めて自分にスポットライトが当たっていると感じてうれしかったんじゃないかなって思うんです。それを長与さんに聞いたら、やっぱりダンプさんは「帰れ」と言われて喜んでたらしいんですよ。芸人もひどい言葉をぶつけられることもあるけど、それがエネルギーや餌になる部分は通じると思うんです。私も言われたことをコントやネタにして自分の糧にしたりするからこそ、ダンプさんのそんな部分にはとても共感しました。