“完全男”佐々木朗希にライバル心…虎に「西純矢あり」
阪神の西純矢(20)が1日、東京ドームで行われた巨人戦に先発して7回を3安打1失点に抑える好投で今季初勝利、プロ2勝目を手にした。最速153キロをマークしたストレートと同146キロの高速フォークとのコンビネーションで巨人打線を手玉に取り、6連勝に貢献。ローテーション入りを確実にした。千葉ロッテの佐々木朗希、ヤクルトの奥川恭伸らと同世代。「自分も負けられない」とのライバル心が進化、成長の原動力となっている。
153キロのストレート&146キロの高速フォーク
天真爛漫に弾けた。 「笑顔は常に心掛けている」 6回に同点、そして勝ち越し点がスコアボードに刻まれると西純はベンチ内でガッツポーズを掲げて声をあげて喜びを表現した。 7回で91球を投げて3安打8奪三振1失点。失点は2回先頭のウォーカーに許した出会い頭の一発だけ。昨年5月19日のヤクルト戦以来となるプロ2勝目は、伝統のGT戦での価値ある白星となった。 「ほんとに最初はすごく緊張していたんですけど、試合に入ったら集中できて、梅野さんのリードのおかげで自分のピッチングができたと思います」 ウイニングボールは観戦に訪れた母親に渡したいという。 巨人打線を牛耳った。 ストレートの最速は152キロ。中学時代に元メジャーリーガー野茂英雄氏から直伝された高速フォークは146キロをマークした。1回二死一、二塁のピンチには、そのフォークで丸のバットに空を切らせ、初めての体験となる6イニング目には、一死から坂本の代役出場となった廣岡を151キロのストレートで空振りの三振。続くポランコも146キロのフォークで連続三振に仕留めて渾身のガッツポーズ。逆転してもらった後の重要なイニングを3人で締めてチームに流れを作った。 入団時の2軍コーチだった評論家の高代延博氏は、その進化、成長に目を見張った。 「見違えた。ストレートのスピードにフォークの落差。そして何よりボールが暴れずに制球力がついた。ストレートでも変化球でも苦労せずストライクが取れる。細かい制球力はないが、150キロを超えてくるストレートの球威があれば、まだ必要はないだろう。進化、成長の要因は、技術ももちろん、そのバックボーンにフィジカルがあると思う。入ってきた頃は、まだストレートが144、145キロ程度。どちらかといえば、ボテっとした体つきでプロの基礎体力もなく、数年先を見据えてイニングや球数に制限をつけていた。この2年で、しっかりとプロの身体を作ったね」