NY市場サマリー(21日)ダウ・S&P下落、ドルと利回りは上昇
<為替> ドルが上昇した。一連の堅調な経済指標を受け連邦準備理事会(FRB)は利下げを急ぐ必要はないとの見方が広がっていることを背景に、米国債利回りが上昇したことが支援要因となった。11月5日に米大統領選を控え、ポジション調整が入っていることも相場に影響している。 ドルは対円で一時150.83円と、約9週ぶり高値を更新。終盤の取引では0.84%高の150.77円。27日投開票の衆院選について、世論調査では自民党の獲得議席数を巡る見方が分かれているものの、市場では自民党と公明党が勝利するとの見方が強まっている。 FRB当局者の間では、ダラス地区連銀のローガン総裁がこの日、FRBは今後も追加利下げを行うと予想。ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁も、向こう数四半期にわたり「緩やかな」利下げを予想しているとの見解を改めて示した。 終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.53%高の104.01。 ユーロ/ドルは0.5%安の1.0811ドル。 <債券> 指標となる10年債利回りが12週間ぶりの高水準を付けた。市場では、米経済がより堅調に推移し、連邦準備理事会(FRB)のハト派的な姿勢が緩和されるとの見方が織り込まれている。 10年債利回りは10.5ベーシスポイント(bp)上昇の4.18%と、7月30日以来の高水準となった。 トレーダーらは現在、年末までに41bpの利下げが行われるとの見方を織り込んでいる。これは、FRBが今後2回の各会合でそれぞれ25bpの利下げを行う可能性は低いことを示唆する。 2年債利回りは7bp上昇の4.025%。 2・10年債利回り格差は、15.1bpに拡大した。 <株式> ダウ工業株30種とS&P総合500種が反落して取引を終えた。国債利回りの上昇を受け、投資家は高値警戒感から主要企業の決算発表待ちの姿勢を見せた。 ナスダック総合は、半導体大手エヌビディアが4.14%上げて過去最高値を付けたことから、続伸となった。 10年債利回りはこの日、12週間ぶりの高水準を付けた。 決算シーズンは好調なスタートを切っており、S&P500種採用企業のうち今週発表が予定される114社の決算が注目されている。決算が多数控える中、一部の投資家は利益を確定したとの指摘が聞かれた。 航空機大手ボーイングは3.1%上昇。ストを続けている労働組合員が、会社側の新たな提案を受け入れるかどうかを23日に投票するとのニュースを受けた。 <金先物> 中東情勢の緊迫化を背景に買われ、5営業日続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比8.90ドル(0.33%)高の1オンス=2738.90ドルと、前週末に付けた史上最高値を塗り替えた。 <米原油先物> 中国の追加景気刺激策の発表や中東情勢の緊迫化などを背景に買いが膨らみ、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は前週末比1.34ドル(1.94%)高の1バレル=70.56ドル。12月物は1.35ドル高の70.04ドル。 ドル/円 NY終値 150.83/150.85 始値 149.93 高値 150.88 安値 149.76 ユーロ/ドル NY終値 1.0815/1.0816 始値 1.0847 高値 1.0859 安値 1.0812 米東部時間 30年債(指標銘柄) 17時05分 95*29.00 4.5004% 前営業日終値 97*26.00 4.3820% 10年債(指標銘柄) 17時05分 97*14.00 4.1956% 前営業日終値 98*12.50 4.0750% 5年債(指標銘柄) 17時05分 97*27.00 3.9848% 前営業日終値 98*10.00 3.8780% 2年債(指標銘柄) 17時05分 99*00.50 4.0317% 前営業日終値 99*05.00 3.9550% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 42931.60 -344.31 -0.80 前営業日終値 43275.91 ナスダック総合 18540.01 +50.45 +0.27 前営業日終値 18489.55 S&P総合500種 5853.98 -10.69 -0.18 前営業日終値 5864.67 COMEX金 12月限 2738.9 +8.9 前営業日終値 2730.0 COMEX銀 12月限 3407.8 +84.4 前営業日終値 3323.4 北海ブレント 12月限 74.29 +1.23 前営業日終値 73.06 米WTI先物 11月限 70.56 +1.34 前営業日終値 69.22 CRB商品指数 281.0687 +1.5175 前営業日終値 279.5512