《都知事選で見えたヤバい面》“出演者を下に見てきた”テレビの打たれ弱さと石丸氏の“バチェロレッテ”戦法
3.石丸氏とリアリティショー
こう考えていくと、石丸氏って恋愛リアリティショーの登場人物みたいだなと思うのです。一人の女性を射止めるため、多数の男性がしのぎを削る「バチェロレッテ・シーズン3」をご存じでしょうか。今回は男性の出演者が「僕を選ばないでほしい」とバチェロレッテに辞退を申し出るという、異例の展開を迎えました。これではバチェロレッテに魅力を感じなかったと言っているも同然なので、番組の前提が崩れてしまいます。つまり、リアリティショーで男性出演者に求められるのは、番組の趣旨から逸脱しない範囲でもめ事を起こして視聴者をハラハラさせ、けれど、自分からは決して降りようとしないという態度になります。これってまさに石丸氏ではないでしょうか。 恋愛リアリティショーで知り合ったカップルには、離婚することも少なくない印象です。番組が放送されているときはよかったけれど、誰も注目しなくなったら、結婚生活という地味な作業が急に色あせて見えるものなのかもしれません。石丸氏も今がピークなんてことがないように、「最初はヤバいと思ったけれど、いい政治家がやっと出てきた」と思わせてほしいものです。 <プロフィール> 仁科友里(にしな・ゆり) 1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」
仁科友里