全国8月コアCPIは4か月連続で上昇も事前予想通り:今後の金融政策を占う観点からも注目される円安修正の物価への影響
コアCPIや基調的な消費者物価上昇率の上振れは、輸入物価上昇による一時的な側面が強いが、輸入物価の上昇も海外での食料・エネルギー価格の上昇ではなく、足もとではほぼ円安の影響によるものだ(図表2)。足もとの円高が続けば、輸入物価は低下に転じ、コアCPIの上昇率やコアコアCPIの上昇率は下振れていくだろう。その結果、2%の物価目標達成も遠のいていくと予想される。 2%の物価目標の達成を前提としなくても、現在の政策金利は十分に低いことから、利上げ方向は変わらないだろうが、このような物価情勢の下では、日本銀行の追加利上げペースはいままでよりもやや鈍化するのではないか。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英