まわりに悩みを言えず、人間関係で苦しんだ学生時代 たどり着いた「生きていてよかった」 #今つらいあなたへ
「生きていれば案外なんとかなる」
編集部: 最後に、今悩んでいる人へメッセージをお願いします。 山田さん: しんどい思いを抱えた人にとって、自分では逃げ道がわからないことがあります。 私はいじめられたこともないし、きっと表面的な苦しさなんてなさそうに思われていました。 表面上では、わからない苦しさもある。昨日まですごい楽しそうだったのに、次の日死ぬみたいな人の気持ちがすごくよく分かる。 私は自傷行為を繰り返して苦しみましたが、いま振り返ると生きていれば案外なんとかなると感じています。悩みを抱えてどうしようもない人には「生きることをおすすめします」と伝えたいです。
監修医からのコメント
岡先生 小学生や中学生の頃から、周囲には気づかれにくい苦しみを抱える人は多くいます。周囲との繋がりもあり、表面上は楽しそうな学校生活を送っていたとしても、心の奥底では助けを求めていて、それを表現することができずに自傷行為に至ることは決して少なくありません。 山田さんのように、表面上は明るく振る舞い、周囲との関係を大切にしようと努力している人ほど、自分の苦しみを他人に話すことが難しい場合があります。このような状態にある人たちが、「ちゃんと起きて、着替えて、ご飯を食べる」という当たり前の生活を自分自身で評価し、少しずつでも「生きていて良かった」と感じるようになるためには、多くの時間と支援が必要です。 周囲の人々が小さなサインに気づき、支援が受け取りやすい環境を少しずつでも作っていくことが回復の第一歩になります。 【監修医師】 岡 琢哉先生(株式会社カケミチプロジェクト) 児童精神科医。不登校・発達障がい等を支援する児童精神特化型の訪問看護ステーション ナンナルを運営する株式会社カケミチプロジェクト代表取締役。岐阜大学医学部附属病院精神神経科、東京都立小児総合医療センター児童思春期・精神科、医療法人社団神尾陽子記念会発達障害クリニック(現・神尾陽子クリニック)、岐阜大学医学系研究科博士課程を経て現職。NPO法人カケルとミチル理事、医療法人社団あやなり理事。 ※この記事はMedical DOCとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。