【コラム】“ヘタレティコ”から“誇らしきアトレティコ”へ!シメオネと一試合ずつ積み重ねた13年間…今季、最強布陣でラ・リーガ制覇に挑む
■アトレティコ過ぎるアトレティコ
だがしかし、いずれにしても必要な考え方は“パルティード・ア・パルティード”なのだ。チョロは目前の試合より先を見ようとは絶対にしない。どれだけタイトル獲得の可能性を聞かれても、選手時代から一切変わらない確信に満ちた表情で、きっぱりと答えるのだ。 「大きな夢を描く……その意味は次の試合を、“パルティード・ア・パルティード”を思い浮かべるということだ」 「私は同じことを繰り返すつまらない人間なのだろうね。しかし、それでも自分を曲げることは絶対にしない。最後の日まで“パルティード・ア・パルティード”だ。そうやって物事を見なければ、光など見つかるわけがないんだよ」 アトレティコがアトレティコ過ぎる意味は、チョロが監督となってから変わった。日本では浮き沈みが激しかったかつてのチームを“ヘタレティコ”と呼んでいたそうだが、今は真逆だ。私たちは“ヘタレティコ”が勝てないことに悲しみや怒りを感じてきたが、今は違う。 「信じることを決してやめるな」 「努力は成功を現実にする魔法だ」 「努力に交渉の余地はない」 「タレントやテクニックは試合によって浮き沈みする。サポーターが何よりも早く察知するのは、気持ちが入っているかどうかだ」 「強い者が勝つのではなく、最も意思の強い者が勝つんだ」 「信じて、努力をすれば、目標は達成できる」 シメオネの言葉は、“パルティード・ア・パルティード”の考え方は、私たちに一歩一歩進んでいく大切さや努力の価値を教えてくれる。今のアトレティコがアトレティコ過ぎたとして、泣きたい理由など何一つない。ただただ誇らしいだけ、勇気づけられるだけなのだ。