聞こえてこないサインツJr.のフェラーリとの契約更新の知らせ。その背景を考察する
先日、フェラーリはシャルル・ルクレールと新たなF1ドライバー契約を結んだことを発表した一方で、2024年末に現在の契約が切れるチームメイトのカルロス・サインツJr.のチームでの将来についてはまだ不透明だ。未だサインツJr.の契約更新が発表されない理由として何が考えられるのだろうのだろうか? 【動画】7度のF1王者だけど質問ある? ルイス・ハミルトン、”モフモフなお友達”と共にファンの疑問に回答! サインツJr.は以前、自分のF1での将来が決まらないまま2024年シーズンを迎えたくはないと公言してきた。 昨年6月motorsport.comの独占取材に応じたサインツJr.は次のように語った。 「正直に言うと、次の年にどこでレースをするのか分からないまま契約最終年を迎えるのは嫌なんだ」 「レッドブル(トロロッソ)とルノーの両方でそのようなプロセスを経験した。アスリートとして、そしてドライバーとしてそれが理想的でないことは分かっている。だから、この冬は自分の将来を考えるための時間に使ったんだ」 サインツJr.のこのスタンスは、フェラーリ側の考えとは食い違ってはいなかった。チーム代表を務めるフレデリック・バスールは、イタリア・マラネロで行なわれた恒例のクリスマスランチの席で、新シーズンが始まる前にフェラーリの両ドライバーの契約を整理することが明確な「目標だ」と名言していたほどだ。 「会って話し合いを始めたが、当初の計画より多少遅れている」とバスール代表は当時語っていた。 「全く問題だとは思っていないし、すぐに決断を下すつもりだ」 サインツJr.とバスール代表が語った目標の“期限”までまだ時間は残されている。しかしフェラーリが両ドライバーの契約発表を同時に行なうのではなく、ルクレールひとりを発表したということは、サインツJr.を取り巻く事態は予想されていたような規定路線だった訳ではないのではないかという意見も出ている。 サインツJr.は2026年シーズン終了までの2年間の契約延長を望んでいるようだが、合意まだ遠いようだ。 フェラーリはサインツJr.と交渉を行なう一方、水面下では2024年限りでウイリアムズとの契約が切れるアレクサンダー・アルボンと話を進めているとも囁かれている。ただフェラーリがルクレールのみの契約更新を発表したことで、事態を深読みし過ぎている可能性もある。他のチームと違って、フェラーリがふたりのドライバーを同時に発表することはほとんどないからだ。 フェラーリには時間の猶予があり、まずルクレールの契約を更新し、次にサインツJr.との複数年契約締結に取り掛かるということも考えられる。