聞こえてこないサインツJr.のフェラーリとの契約更新の知らせ。その背景を考察する
フェラーリ、アルボン獲得の路線はある?
ドライバーとチームの話し合いが暗礁に乗り上げた場合、ドライバー市場にある他の選択肢を理解することが重要だ。 フェラーリのドライバーリストを覗き見るとしたら、ランド・ノリスがマクラーレン残留を決めたことで彼がサインツJr.の後任候補からしばらく外れることになった。 フェラーリが2025年以降、優れた技術的ノウハウを持ち、ビッグチームのやり方を理解しているチームプレイヤーを求めているのであれば、リストに残るのはアルボンだ。 昨年、イタリアではフェラーリは長期的な目線でアルボン獲得を目指しているとの憶測が流れたが、当時バスール代表はドライバー交渉について考えるのは時期尚早だとして、これを否定していた。 アルボンは2025年に向けて契約交渉がオープンとなる。ウイリアムズでの日々を彼が気に入っているとしても、誰もが一度は憧れるフェラーリへの移籍話は断り難いモノだろう。 昨年、アルボンはウイリアムズとの契約を急がず、ドライバー市場を注視したいと語っていた。 「自分自身をオープンにしておく自信はあると思う」とアルボンは言う。 「優勝争いや表彰台争いができるようなチャンスを得たい。最終的には、そういった年齢でこのチームをそういうチームに持っていけるかどうか次第だ」 フェラーリがサインツJr.以外のドライバーを起用したとしても、サインツJr.のF1キャリアが終わりを告げる訳ではない。彼はこれまで、ザウバーをパートナーに2026年から新規参戦するアウディとの関係が噂されてきた。実の父であるカルロス・サインツSr.はアウディで2024年のダカールラリーを制しており、つながりもある。また、2026年からホンダとワークス体制を組むアストンマーティンというのも、サインツJr.にとっては良い選択肢だろう。 しかしサインツJr.とフェラーリ双方にとって、袂を分かつよりも、同じ道を歩んだ方が成功に向けてより多くの保証を得られると言えるだろう。
Roberto Chinchero, Jonathan Noble