デビュー以来「被弾ゼロ」の記録更新中、中日・松山晋也投手 2リーグ制以降最長に並び…来シーズンの初アウトで前人未踏の領域へ
【プロ野球実況中継】 2024年最後の小欄は今シーズンを面白い数字で振り返ってみます。各チームの防御率が大幅に上がったことからも分かるように、今年は打高投低が顕著でした。 【写真】侍ジャパンユニフォーム姿の中日・松山 そんな中で中日の投手のすごい記録が生まれています。高橋宏斗投手(22)はシーズン被本塁打がわずか1。2リーグ分立の1950年以降、規定投球回に到達した投手の中では最少記録として注目を集めましたが、実はもう一人、本塁打を打たれない投手がいます。 43ホールドポイントで最優秀中継ぎのタイトルを獲得した松山晋也投手(24)。昨年のデビューから通算89回⅔、打者360人と対戦し、いまだ被弾ゼロなのです。これはドラフト制(1966年)後に入団した投手の中では、2014年の楽天・松井裕樹投手(現パドレス)の71回⅓、打者322人を大幅に更新して新記録。昨今のプロ野球の球場は外野にホームランテラス等を設け本塁打が出やすく、打者有利になっていますが、本拠地バンテリンドームはそれとは無縁の〝ピッチャーズパーク〟。その特性も活かしての快挙達成といえるでしょう。 古くは1リーグ時代に、南海の清水秀雄という投手が足掛け4年で528回⅓、2268人連続被弾なしというモンスター記録を樹立していました。ホームランが滅多に出なかった時代を象徴する数字です。2リーグ制以降では、1956年の阪急・米田哲也投手の89回⅔が最長のようで、松山は奇しくもこの記録に並びました。来シーズンの初アウトで、前人未踏の領域に足を踏み入れます。 中日は今季43セーブを挙げ最多セーブのライデル・マルティネス投手が退団。新たなストッパーを探さなければいけませんが、松山投手はその有力候補でしょう。 (フリーアナウンサー・松本秀夫)