サイバートラスト、IoT機器向けOS「EMLinux」をエッジAI用プロセッサ「Chimera GPNPU」に対応させるオプション
サイバートラスト株式会社は19日、米QuadricのエッジAI用プロセッサ「Chimera GPNPU」に対応し、安心安全かつ長期利用可能な組み込みLinuxのオプション「EMLinux for Edge AI」を、2025年1月より提供開始すると発表した。 EMLinuxは、産業機器などでの利用に対応するため、10年間の長期サポートを提供するLinux OS。組み込み機器やIoT機器に必要なネットワークや、GUI用のソフトウェアパッケージを標準で備えているので、EMLinuxを利用する機器メーカーは、独自開発部分に注力した開発をすぐに始められ、トータルの開発期間を短縮できるという。 今回提供するEMLinux for Edge AIは、このEMLinuxを、QuadricのエッジAI用プロセッサであるChimera GPNPUに対応させるオプション。Chimera GPNPUとSDKは、新しいAIアルゴリズムやモデルに柔軟に対応できる開発・実行環境を、低消費電力で運用できる特徴を持つが、EMLinux for Edge AIにより、セキュアで長期運用可能なLinux OSがエッジAIの動作環境をサポートすることによって、安心・安全かつ長期利用可能なスマートエッジ機器の開発と運用を実現するとした。 なおEMLinux for Edge AIでは、具体的に、エッジAI利用のためのパッケージカスタマイズ、セキュリティ設定、セキュアブート、暗号化対応や、エッジAIを利用する入出力インターフェイス対応といった特徴を持つほか、Chimera GPNPUの動作検証支援、OSの10年の長期サポートと脆弱性パッチの定期提供、SBOM生成および脆弱性チェック機能の提供などが行われる。 また、AIモデル、学習データ用署名検証ツールも順次提供される予定で、これらにより、「いつ」「どこで」「何を使って」「誰が」といった多角的な認証による真正性の確認や暗号化による機密性の確保と、電子署名による改ざんの有無の確認を可能にするとのこと。 さらに、セキュアなエッジAIを実現するため、電断対応ファイルシステムや高速起動、ホワイトリスト型アプリケーション実行制御エンジンと組み合わせた追加機能なども提供される予定。 価格は、利用するハードウェア構成に応じた個別見積もりとなる。
クラウド Watch,石井 一志