（ブルームバーグ）： 新規株式公開（ＩＰＯ）の急減に苦しむ香港市場にとって、中国最大の家電メーカー、美的集団の大規模ＩＰＯは重要な試金石となる。

香港のＩＰＯ総額はここ数年低迷しているが、美的集団のＩＰＯと上場が成功すれば投資家の信頼感を押し上げる可能性がある。ブルームバーグ集計データによると、今年の香港市場のＩＰＯ総額は25億ドル（約3570億円）にとどまっている。2021年は428億ドルだった。

既に深圳に上場している美的集団は今週、香港ＩＰＯの注文受付を開始。最大35億ドル規模を目指しており、目標に達すれば香港市場では2021年５月に36億ドルのＩＰＯを実施したＪＤロジスティクス（京東物流）以来の規模となる。

美的集団の仮条件レンジの上限は深圳上場株との比較で約20％のディスカウントになる。

オーバーワイス・アセット・マネジメント（香港）の「チャイナ・オポチュニティーズ・ファンド」で共同ポートフォリオマネジャーを務めるバリー・ワン氏は「マクロ経済以外の大きな問題は、ＩＰＯ準備中のエキサイティングで新しい中国企業があまり見られなくなったことだ」と指摘した。

中国政府による国内テクノロジー大手への締め付けや、配車サービスを手掛ける滴滴グローバルのニューヨーク証券取引所（ＮＹＳＥ）からの上場廃止の後、香港のＩＰＯ市場は低迷が続いた。

中国も香港ＩＰＯの状況に注目してきた。中国政府は６月、本土以外のＩＰＯ支援を強化すると表明。これは香港市場に恩恵をもたらす可能性があるとみられていた。

現在、準備中の大型案件は幾つかあるものの、ＩＰＯの実施時期はまだ不明。ブルームバーグは先月、華潤（集団）の飲料部門の香港ＩＰＯ計画で、60億ドルの評価額をディスカウントするよう投資家から求められたと、複数の関係者を引用して報じた。

原題：Midea’s Mega Debut Is a Test for Hong Kong’s Troubled IPO Market（抜粋）

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