石破総理「10月27日解散総選挙」宣言…「解散日から投票日まで株価上昇」のアノマリーは、今回も起こるか【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】
総選挙と日経平均株価は密接に関係しています。総選挙では「解散日から投票日まで日経平均株価は上昇する」という経験則に基づく傾向があるといわれていますが、今回もこの傾向に基づく日経平均株価の上昇は起こるのでしょうか。本稿では、エコノミスト・宅森昭吉氏が、1990年以降のデータで4ケースを検証していきます。 【早見表】毎月1万円を積み立て「預金」と「NISA」を比較…5年~40年でどれくらい差がつくか
「解散日の直前の営業日終値から、投票日の直前の営業日終値まで」…90年以降、11回すべてで日経平均株価は上昇
臨時国会が10月1日に召集され、自民党の石破茂氏が、衆参両院の本会議で第102代首相に指名されました。石破氏は前日の9月30日、党4役とともに記者会見に臨み、4役のあいさつに先立ち、石破氏は、 内閣総理大臣に選出されれば、直ちに組閣を行い、政権を発足させたい。新政権はできる限り早期に、国民の審判を受けることが重要であると考えており、諸条件が整えば、10月27日に解散総選挙を行いたいと考えている。これは全国の選挙管理委員会などの選挙準備の観点から、本日表明をさせていただくものだ。 と述べました。石破総理は10月9日に衆院を解散し、衆院選を15日公示、27日投開票の日程で行うといわれています。 総選挙と日経平均株価に関しては、「総選挙、解散日から投票日まで日経平均株価は上昇する」というアノマリーが有名です。1990年以降11回の総選挙に関し、4つのケースで、このアノマリーを検証してみたいと思います。 まず、解散日の直前の営業日の日経平均株価の終値(A)、解散日の翌日の日経平均株価の終値(B)、そして投票日の直前の営業日の日経平均株価の終値(C)、解散日の翌日の日経平均株価の終値(D)の4つの終値で、(C)―(A)、(C)―(B)、(D)―(A)、(D)―(B)の4ケースの組み合わせの差を求めます。 11回のうちすべて上昇したのは、(C)―(A)、つまり投票日の直前の営業日の日経平均株価の終値―解散日の直前の営業日の日経平均株価の終値のケースだけです。 90年以降の、ほかの組み合わせをみると、(C)―(B)は10回上昇1回下落、(D)―(A)は7回上昇4回下落、(D)―(B)8回上昇3回下落となっています。