前日練習に臨むドジャース・大谷翔平＝ドジャースタジアム (撮影・水島啓輔)

【ロサンゼルス24日（日本時間25日）】米大リーグのワールドシリーズ（WS＝7回戦制）は25日（同26日午前9時8分開始）に開幕する。ドジャースの大谷翔平投手（30）は第1、2戦の舞台、ドジャースタジアムで練習を行った。前日会見では日米のメディアが殺到。野球と関係のない信仰について問われる場面もあったが、「1年の集大成。最高の終わり方ができれば」と武者震いした。 【写真】大谷翔平はロバーツ監督の印象問われ「握手がすごく強い（笑）」 ここまでのポストシーズンとは明らかに違う、混沌とした空気に包まれた。ドジャースタジアムの中堅奥にある屋外プラザで行われたメディア対応。大谷が腰かけた座席の周りには報道陣が幾重もの輪をつくる。喧騒の中で大谷は、冷静に自身初のWSを見据えた。 「今までは見る側で、悔しい思いをしていた。独特な雰囲気で、どれだけ冷静にプレーできるか分からない。1年の集大成。野球人生の一つとしても大きなものかなと思います」 報道陣は〝スタートライン〟から大谷のブースまで一斉にダッシュ。ヤンキースの番記者を含め約40人が集結した。その15分前にヤンキースのジャッジが同じ席で対応したときを大幅に上回り、セキュリティーは大谷の横にピタリ。大谷と一定の距離を取るようにパーテーションが設置され、場所取りやセッティングで焦る報道陣を大谷が数秒待ってから質疑応答が始まった。 ワールドシリーズで43年ぶり12度目のヤンキースとの名門対決。54本塁打の大谷と、58本塁打のジャッジによる両リーグの本塁打王の対決も火花を散らす。ジャッジが前日に「球界のベストプレーヤー」と大谷を絶賛したことを受け、「時代を代表する選手とプレーできることに感謝したい」と実感を込めた。 ロバーツ監督が「世界的に関心を持たれることは明らかだ」と評した頂上決戦。その中心である大谷に投げ掛けられる質問は多岐にわたり、愛犬デコピンは「体調が良ければ来る」。好きな英語のフレーズには「パッとは出てこない」。さらに信仰について問われ「特にはない」と答える場面もあった。 前日練習では、珍しい光景があった。練習の終盤にグラウンドに飛び出し、一塁から二塁、二塁から三塁への走塁練習を実施。右翼でも約50メートルのダッシュを繰り返した。室内にこもる普段の調整と違い、野手の調整でグラウンドに出ることはまれ。WS開幕を翌日に控え「興奮している」と高揚する胸の内を明かしたように、集中した表情だった。