3バックの行く末は?新布陣で輝く久保建英の見解「僕の勝手な予想になってしまうけど…」
酷暑の中東アウェーにも不安はなさそうだ。日本代表MF久保建英(ソシエダ)が7日、バーレーンでの初回練習後に報道陣の取材に対応。現地は午後6時の練習開始時でも気温約35度、湿度約70%と厳しい蒸し暑さが残る中でのトレーニングとなったが、「どこも中東に行くと同じような気候なので、初めてだなという感覚はない。いつもとやることは変わらないかなと思います」と冷静に語った。 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 久保は5日の北中米W杯アジア最終予選初戦・中国戦(◯7-0)に3-4-2-1の右シャドーで先発出場。右サイドを目まぐるしく動き回って攻撃の起点を担った他、終了間際にチームの7点目を決めるなど、1ゴール2アシストの大活躍で最終予選のスタートを切った。 久保は今月1日にラ・リーガ第4節のヘタフェ戦でも60分間プレーしていたため、連戦が続いている状況。それでもA代表では昨年9月のトルコ戦(◯4-2)以来となるフル出場に「代表で久々に全部出たので変な違和感みたいなものはありますね」と冗談めかしつつ、「ここから中4日もある。僕としては中4日もいらないけど、4日あるならあるで良い準備ができるんじゃないかなと思う」と10日のバーレーン戦に向けて余裕を見せた。 そんな久保は6月シリーズから導入された3-4-2-1の新システムのもと、右シャドーが主戦場となっている。所属先のソシエダでは4-3-3の布陣で大外に張ってプレーしている時間帯が大半だが、中国戦では右の大外だけでなく、中央のスペースを行き来する場面も多く、自身が“本職”と見据えるトップ下の趣向も交えながら流動的なポジショニングを行っている印象がある。 そうした現状については久保自身も「いまのソシエダと比べてこの前のスリー(3バック)の攻撃には厚みがあるなと感じるし、僕が張っていてもいいけど、中も入れて、外に張ってといろんなところで自由を与えてもらったほうが僕としてはやりやすいというのがある」と手応えを感じているようだ。 また「インサイドハーフと、ウイングバックが縦に上がった時のシャドーだと、シャドーのほうが前に行きやすい。そういった意味で4-3-3だと3枚で完結しがちな攻撃が5枚でできている。プラスボランチの2枚も上がってきたら6枚、7枚で攻撃できるので、そういった意味で厚みがあると思う」とチーム全体の攻撃にも好感触を口にした。 6月シリーズからの3試合を通じ、17得点0失点と華々しい成果を挙げている3-4-2-1の新布陣。現状では「オプション」という見方もあるが、久保は北中米W杯に向かって自身の“予想”を次のように語った。 「僕の勝手な予想になってしまうけど、このままハプニングが起きない限りはスリーでやるんじゃないですかね。そんな予想を個人的にはしています」 久保はこの日、新布陣の展望について「僕個人の予想」と何度も前置きしつつ、「欲張れないので僕らも。時間がないですし。その中で最終予選の初戦で3バックを使ったということは今のところ第一のオプションは3バックなんじゃないかなと思います」と未来図を描いた。 もっとも、そんな久保は3-4-2-1を新たに導入した6月シリーズ後、3バックの手応えについて「試したことに価値があると思う。でも本当に強い相手とやらないと正解かは分からない」と話し、慎重な見方をしていた。その点については現在でも「全然、楽観視はできない」と考えているという。 「次の試合、その次の10月シリーズ。あと今はスケジュール的には無理で、これから突破を決めないといけないし、決めた後の話になるけど、他の強豪国とやった場合にというのが最終テストになると思う。まずはそれまでにつまずかないように頑張りたいなと思います」。あくまでも大事なのは世界的強豪に通用するかどうか。華々しく勝利したW杯最終予選の初陣を経てもなお、新システムの成果と課題には長い目で向き合っていくつもりだ。