キャリアとB1昇格の行方を変えた“言葉”…平尾充庸&長谷川智也に島田チェアマンがインタビュー
6月13日、Bリーグ・島田慎二チェアマンのポッドキャスト番組『島田のマイク』第189回が配信。収録場所は前回に引き続き5月31日に開催された「B.LEAGUE AWARD SHOW 2023-24」の会場で、今回はベストフリースロー成功率賞の平尾充庸(茨城ロボッツ)と、フェアプレー賞の越谷アルファーズを代表し長谷川智也へインタビューする模様が配信された。 【番組を聴く】Bリーグアワード・表彰選手たちと対談! ~後編~『島田のマイク』第189回 まずは、茨城で過酷なB1残留争いを戦い抜いた平尾が登場し、「自分のキャリアの中でも1、2を争うぐらい本当に苦しいシーズンでした」と2023-24シーズンを振り返った。茨城はシーズン序盤から怪我人が多くフルメンバーで戦えないことが多かったうえ、ヘッドコーチが3回も変わるという激動の1年に。島田チェアマンも「昔はHCが変わることは結構あったけれど、以前より減ってきている。そこにきてこの3回、難しいシーズンでしたね」と思いを寄せると共に、平尾こそが精神的支柱になる場面が多かったのではないかと尋ねた。平尾は「今まで以上に選手とのコミュニケーションは取りましたし、今まで以上に若いチームだったので、どういう風に伝えればいいのかという点は苦労しました。僕自身、大野篤史さん(現:三遠ネオフェニックスHC)から『目標を持ちなさい』とルーキーシーズンに言葉をいただいて成長できたので、それを僕も下(の世代)に教えていかなきゃいけないなと頑張っています」と話し、茨城の次代を担う選手たちを導いていこうとする様子が伺えた。 2年連続2回目となるベストFT成功率賞を獲得した平尾だが、NBL時代から様子を知る島田チェアマンは「あの頃の苦労を経て、今B1で重要な存在としてプレーをしているのはすごい。ここまでできている秘訣はなんですか?」と、プレーヤーとしての考え方について質問。平尾は「やっぱりプロ選手である以上、戦う姿勢をお客さんに見せるというのは当たり前だと思っていて。お金を払って見に来てくれているので、僕だけが戦っても意味がない。チーム全体で評価されるものだと思っているので、その中で僕自身は茨城ロボッツのキャプテンとして、チームの顔であるプレーヤーがまとめなきゃいけないと考えながら毎シーズン戦わせていただいてます」と、強い責任感を言葉に滲ませた。 2人目のゲスト、長谷川が所属する越谷アルファーズは、2023-24シーズンのB2プレーオフを勝ち抜き念願のB1初昇格を果たした。長谷川は「レギュラーシーズンは本当になかなかうまくいかなかった」と語りつつ、「それが逆に僕らにとってのいい薬だったというか。ボス(安齋竜三ヘッドコーチ)が毎日毎日僕らを叱咤激励してくれて、プレーオフ前に空気が変わったと思います」と、チームが勢いづいた要因を明かした。また、「プレーオフが始まる前の1週間の準備期間で、竜三さんに『完全にもう悪者やろうよ』と言われました。そこで(これまでの戦績は)関係ないだろ、というのがマインドセットとしてできていましたね」と、チームのスイッチが入った瞬間を振り返った。 B1昇格をかけた天王山、B2プレーオフセミファイナルの対戦相手は、レギュラーシーズン対戦成績が1勝5敗のアルティーリ千葉だった。長谷川は「(戦績の)数字だけ見たら全然勝てない相手だなと思ってしまいますが、全て僅差の試合だったんですよ。僕らのミスで負けた試合も何個かあったので、メンバーは実際そんなに(A千葉に対して)苦手意識がなくて、そこが良かった点かな」と、記憶にまだ新しい激戦の勝利を改めて噛み締めた。
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