味噌汁代わりに「カップ麺の残り汁」を飲むのはアリですか?「節約」にはなると思うのですが、栄養面が心配です…。
食費を節約したいと考えるとき、味噌汁の代わりにカップ麺の残り汁を飲む人も中にはいるでしょう。 ▼節約のために「カップラーメン」はNG? 栄養バランスと節約を両立させる方法とは? しかし、カップ麺の残り汁を飲むときに気になるのが栄養面や健康面です。本記事では、市販の味噌汁の価格とカップ麺の価格を紹介するとともに、それぞれに含まれる塩分量もお伝えします。 食事でカップ麺だけを食べたときの栄養面についても解説しますので、費用面だけでなく健康が気になる人もぜひ参考にしてください。
市販の味噌汁の価格と塩分量
まずは、市販の味噌汁の価格と塩分量を紹介します。今回参考にするのはコンビニで販売されている3種類のカップ味噌汁です(表1)。
筆者が作成 コンビニで販売されている味噌汁は、コンビニの種類や商品に入っている具材によって価格が変動します。中には、野菜が多く含まれた商品もあるため、栄養面でバランスを取る際にも重宝するでしょう。また食塩相当量は、およそ2.0g前後であるとわかります。
カップ麺の価格
次に、カップ麺の価格と塩分量を紹介します。今回参考にするのはコンビニで販売されている3種類のカップ麺です(表2)。
参考URLを元に筆者が作成 コンビニで販売されている味噌味のカップ麺は、種類によって価格に差があります。また食塩相当量は、味噌汁よりも大幅に量が多いとわかります。味噌汁の代わりにカップ麺の汁を飲めば味噌汁代が浮きますが、食塩相当量が多いため注意が必要です。
食事がカップ麺だけだと栄養が偏る可能性がある
食事をカップ麺だけで済ませると、栄養が偏る可能性があります。 例えば、カップ麺をスープまで飲み干すと塩分量が多くなってしまうでしょう。野菜や肉類、魚類なども十分に取れないためビタミン、ミネラル、タンパク質などの栄養素の不足を招くおそれがあります。 ◆塩分量が多くなる 食事をカップ麺で済ませるうえに、スープを飲み干してしまうと塩分を摂りすぎてしまうおそれがあります。今回紹介したカップ麺では、食塩相当量が4.8~7.9gです。 日本人の食事摂取基準(2020年版)では成人1人が1日に摂る食塩量は、男性で7.5g未満、女性で6.5g未満に設定されており、商品によっては1品だけで1日の食塩相当量を上回ってしまうでしょう。そのため食塩相当量を考慮すると、カップ麺はスープを飲まないほうがよいといえます。 ◆タンパク質が不足しやすい カップ麺のメインの栄養成分は、炭水化物です。そのため、カップ麺だけで食事を済ませてしまうと、タンパク質が不足してしまうと考えられます。厚生労働省の調査によると、15~59歳のタンパク質維持必要量は、0.69g/kg 体重/日です。 例えば、体重が60kgの人であれば、1日に約41gのタンパク質を摂取する必要があります。カップ麺だけの食事でタンパク質が不足しないように、カップ麺を食べたいときは肉類や魚類などタンパク質が豊富なおかずを追加することをおすすめします。 ◆ビタミンやミネラルが不足しやすい カップ麺には、野菜や海藻類などの食品があまり含まれていません。そのため、ビタミンやミネラルの不足が起こりやすいといえます。 ビタミンやミネラルは、身体に取り込んだ栄養をエネルギーに変えるときにサポートを行う役割がある栄養素です。不足すると体調面で支障をきたすおそれがあるため、カップ麺を食べる際は、野菜や海藻類を追加することをおすすめします。