【キャンプで訪ねるみちのくの名湯】岩手山麓の絶景を眺めながら五つの湯をめぐる「 網張温泉」
キャンプやアウトドアレジャーを存分に楽しんだ後に、近くの温泉でほっと一息。日本でも有数の名湯ひしめく東北で、温泉&キャンプ旅におすすめのスポットをシリーズでご紹介します。 【写真】五つの名湯を湯巡りできる「網張温泉キャンプ場」を見る(全9枚) 岩手県盛岡市よりクルマで約50分ほど北西へ移動した内陸部に、網張温泉があります。美しい裾野を描く岩手山のふもとに位置し、山並みに沿って美しい紅葉も見られる名所とされます。紅葉シーズンは例年10月中旬~下旬で、温泉から眺める景色は息を呑むほどでしょう。 2018年夏にリニューアルされた「網張温泉キャンプ場」。木立の中に区画割りされたサイトが棚田のように並ぶ「林間サイト」と、広くて開放的な「芝生サイト」の2つのサイトがあるキャンプ場です。林間サイトのなかでもさらに3種類のサイトに分かれ、目的や人数に応じたサイトが選べます。 紅葉を楽しみたい人は、絶景の空中散歩を体験できる網張展望リフトへ。リフトからは、岩手山や早池峰山、鳥海山が望めます。 また、敷地を出てキャンプ場や温泉の周囲を歩く「ふれあいの道」は1周約1時間と、リフレッシュにはピッタリの散策路。岩手山山麓の牧歌的な風景と、岩手山の雄姿を楽しめます。 リフトや散策コースのどちらからも、紅葉シーズンには美しい黄金色の山並みが広がります。
森を抜けて沢を横切り名湯・網張温泉へ
敷地内には、岩手山の旧火口から噴き出す蒸気と沢の水によって作られる、5カ所の温泉があります。 内湯と露天の「大釈の湯」、内湯の「白泉の湯」、日帰り温泉の「薬師の湯」、内湯と露天、そして野天風呂の「仙女の湯(冬季閉鎖)」、「鹿追足湯(冬季閉鎖)」。それぞれ趣の異なる温泉が楽しめるこれらは、「網張五湯」と総称されています。 紅葉を楽しみたいなら、「仙女の湯」がぴったりです。キャンプ場からはもっとも離れており徒歩12分ほどですが、山中へと進んでいく道中は絶景の紅葉が楽しめるので、ゆったり歩いていきましょう。山の中にぽつんとたたずむ「仙女の湯」では、黄金色の紅葉に囲まれての湯浴みが楽しめます。 紅葉と聞くと真っ赤な葉が浮かびますが、実は日本古来の紅葉は、黄葉主体の黄金色。「仙女の湯」の紅葉は、カバノキ科の落葉紅葉樹、ダケカンバが多い紅葉です。網張温泉や奥入瀬渓流など、東北の紅葉は赤くないことが特徴なのです。 「仙女の湯」の大自然に囲まれた紅葉もおすすめですが、「大釈の湯」や「薬師の湯」でも紅葉狩りを楽しめます。 手ぶらキャンプが可能で気軽に訪れることができる、初心者にも嬉しい「網張温泉キャンプ場」。湯浴みで疲れを癒しながら、のびのびとアウトドアライフを楽しんでみてはいかがでしょう。
神谷 郁(風来堂)