海外メディアは井岡一翔V1成功を評価「栄誉を受ける瞬間を取り戻す」「老獪なベテラン」「ボディショットで優位に」
ボクシング専門サイトの「ボクシング・シーン」も、井岡の判定でのV1成功を伝え「井岡が2010年代最後の1年で栄誉を受ける瞬間を取り戻した。4階級制覇王者の井岡は、プエルトリコのシントロンの勇ましい挑戦を払いのける判定勝利で初防衛に成功した」と報じた。 記事は「シントロンは初の世界タイトル戦を敵地で戦うことに恐れる様子はなく、序盤は、井岡が戦術面で問題を抱えることになるアウトボクシングを見せた。2012年ロンドン五輪、2016年リオ五輪とプエルトリコ代表で出場した手の長いサウスポー(のシントロン)は、相手の母国で試合をしたが、高さ、リーチ、若さで優位に立ち、横への動きと井岡をパンチ射程外に留める鋭いジャブが良く決まった」と序盤、試合を支配していたことを描写。 その上で「老獪なベテランの井岡は、第3ラウンドに距離を詰める方法を見つけた。キャリアの3分の2でタイトル戦を経験し、多くの試合を出身地の大阪で行ってきた30歳(の井岡)は、その豊富な経験を生かしてシントロンのボディを攻め、唇を切ったが、試合をしっかりと組み立てた。意地を見せた挑戦者による試合後半の攻勢を受け流した」と、井岡のクレバーな戦術と、燃えるような魂に裏づけされた判定勝利を絶賛した。 米国の格闘技サイトの「ファイトフル」も「日本の伝統となる大晦日ボクシングのスーパーカードで、複数の世界タイトル戦が行われ、その1つからは素晴らしいノックアウト(田中対トロハツ戦)が見られた。メインイベントでは4階級王者の井岡がプエルトリコからの挑戦者シントロンに対して防衛に成功した。井岡にとって6月にアストン・パリクテにTKO勝ちしてベルトを奪って以来、初めてのスーパーフライ級での防衛だった」と伝えた。 同記事は「もう1つの世界タイトル戦では、将来のパウンド・フォー・パウンドとして期待されるスター選手の田中恒成が、フライ級に階級を上げて以来おそらく最高のボクシングを見せ、ウラン・トロハツを3ラウンドでノックアウトした。田中は序盤で攻撃を確立し、大きな左のアッパーカットでキャンバスに沈めるとトロハツは立ち上がることができなかった」と、井岡ではなく田中の圧勝をクローズアップ。さらに、このメディアも、「田中は4階級を制覇する最も新しい日本人ボクサーとなるために(来年)スーパーフライ級へ階級を上げる可能性を示唆した。それは、もしかしたら井岡との日本選手同士の対戦を意味することになるのかもしれない」と、今年、井岡対田中の日本人対決が実現する可能性についての興味を示していた。 試合後、井岡は統一戦を最優先に第2候補が、23日に横浜アリーナで復帰戦を飾ったばかりの元4階級制覇王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)で、まだ階級を上げていない田中が眼中にないことを明らかにしたが、その情報を手にしていないのか、海外メディアの多くは、この日防衛に成功した2人の今後の対決の行方に注目していた。