ATMに行政書類の発行… 「コンビニは“過疎地の生命線”」 セブン-イレブンが外資に買収されるとどうなるのか
過疎地の店舗は行き詰まってしまう恐れも
前出のHD関係者が続ける。 「公共料金の収納代行サービスも、セブンが先駆者でした。ATM設置も金融行政の規制の壁を乗り越えて実現させ、現在はマイナンバーカードで住民票も取得できます。また来年春から、ファミリーマートやローソンでは書籍や雑誌を販売する店舗が大幅に減少しますが、セブンは変わりません。これは特に、書店の数が大きく減った地方において、大切な“供給地”となっているのではという自負があります」 そんな状況下で外資が取って代われば、「経済合理性」の名のもと、収益の芳しくない過疎地の店舗はロイヤリティーの値上げなどを強いられ、行き詰まってしまう恐れもあるというのだ。 「セブンには日本のコンビニ文化を築いてきたとの思いがあるのに、先方の提案はもっぱら“儲け至上主義”に終始していました。その不安は、今後の交渉でも払拭されないと思います」(同) 後編【セブン-イレブンへの外資の買収提案に、1号店オープンを成し遂げた“コンビニの父”が語ったこととは】では、セブンイレブンが買収された場合に起こる変化などについて詳しく報じている。
「週刊新潮」2024年9月19日号 掲載
新潮社