富大元教職員宅に放射性物質 周辺環境に影響なしか
●16日会見 富大を退職した元教職員(故人)の富山県内の自宅から、放射性物質が発見されたことが15日、分かった。放射性物質は既に富山市の杉谷キャンパスの放射線管理区域内に移動して保管中で、測定結果から周辺環境への影響はないとみられる。同大は16日午後、五福キャンパスで齋藤滋学長らが出席し記者会見を行う。 【写真】元教職員の自宅から発見された放射性物質 原子力規制委員会が富大から受けた報告によると、8日午前11時ごろ、元教職員の自宅から、放射性物質らしき物が発見されたと遺族から同大に連絡があった。職員が9日に現地調査を行い、放射性物質が収納されていると思われる、高さ20センチ、直径10センチの未開封の金属缶を確認した。9日中に杉谷キャンパスの放射線管理区域に保管した。 缶の表面と自宅保管場所の汚染状況を調べた結果、表面で炭素14とトリチウムが検出され、炭素14は規定値を超えていた。自宅保管場所でも炭素14の汚染が検出されたが、規定値は下回っていた。 富大は14日午後0時40分ごろ、原子力規制庁に報告。発見場所の空間線量率が通常と変わりない状態であることや金属缶が既に移動されていること、元教職員の自宅に現在居住者がいないことなどから、人体と周辺環境への影響はないとみられる。 委員会は今後、富大が行う原因究明および再発防止策について確認を行う。