【聖戦士ダンバイン】主人公ショウ・ザマのバイク「アスペンケード」とは? その車種選択には意味があった!
ショウ・ザマの愛車「ホンダ アスペンケード」は超高級バイク
というわけで、当記事ではショウの乗っていたバイクを特定していきます……とネット記事定番の語り口で本題に入りたいころですが、考察する余地もなく第2話であっさり明言されます。 同じく現代から異世界にやってきたアメリカ人で、後にライバルとなるトッド・ギネスから(乗っているバイクについて)「ゴールドウイングか」と聞かれ、ショウは「アスペンケードだ!」と答えるやりとりがあるのです。 ちょっとここからバイクにクローズアップした話になっていきますが、アニメファンの方もぜひお付き合いください。 アスペンケードは1980年代に販売された排気量1000ccオーバーのホンダの高級大型バイクで、海外でしか販売されなかった車種です(*)。当時ダンバインを観ていたバイク好きの人は、ショウとトッドの会話にニヤッとしたのではないでしょうか。 というのも、アスペンケードとは2代目ゴールドウイングをベースとした豪華モデルで、ショウとしてはそこにプライドがあったのかもしれません。 *編集部註:当時の日本メーカーは国内で正規販売するバイクに関して排気量の上限を750ccとする自主規制を行っていた。そのため、それ以上の排気量のバイクは輸出専用の商品だった。ただし、そうしたバイクを一部販売店が「逆輸入」することで、日本で購入することもできた。 このアスペンケードが最初に登場したのは1982年。1980年に発売された第2世代ゴールドウイング(排気量1100cc)をベースとし、大型カウル、オーディオ、トランク、液晶メーター、CB無線を装備。バイクに詳しくない方はハーレーダビッドソン的な大型バイクをイメージしてください。 販売の主なターゲットはアメリカで、広大な大陸を快適にクルージングできるモデルとして1983年まで販売されました。1984年からは1200ccとなった第3世代ゴールドウイングをベースとした2代目アスペンケードも登場しますが、ダンバインの放映は1983年2月から。 というわけで作中に登場したのは間違いなく初代アスペンケードであり、さらに当時の最新鋭モデルだったわけです。ショウの家庭が裕福だったという設定がありますが、そのあたりにも繋がってきます。 悪友たちから「レースは金持ちの息子が道楽でやるもんじゃねぇんだよ」「モトクロスライダーがクルージングマシンに乗るのかよ」的なやっかみを言われる点を含め、アスペンケードは現実のバイク事情をフィードバックしつつ、(当時の)現代日本における彼の立場を説明する見事な小道具だったと思うのです。 ■ホンダ ゴールドウイング(GL1100)/1980年発売 輸出専用モデルとして1980年に発売された2代目ゴールドウイング(GL1100)。水平対向4気筒エンジンは初代の999ccから1085ccに拡大され、エアサスを新採用した。 ■ホンダ ゴールドウイング(GL1100)インターステート/1980年発売 スタンダードのゴールドウイング(GL1100)と同時に発売されたゴールドウイング・インターステート。大型カウル、トランクなどを追加した上級グレードで、オプションでAM/FMラジオ、ステレオが装備できた。 ■ホンダ ゴールドウイング(GL1100)アスペンケード/1982年発売 ゴールドウイングの最上級グレードとして1982年に発売された「アスペンケード」。カウル形状などはインターステートと基本的に同様だが、液晶デジタルメーターを採用するほか、ステレオが標準装備になるなど、より豪華な仕様となっている。