なぜザルツブルクから特別な若手選手が世界へ羽ばたくのか? ハーランドとのプレー比較が可能な育成環境とは
「ハイテクトレーニング場」など充実した施設を完備
敷地にはサッカーグラウンドが6面。加えて室内にもフルピッチサイズが取れるサッカーコートがある。その隣にはアイスホッケーコートが2面あり、アカデミーの子どもたちが自由に使える多目的室内場やフィットネスルームがある。どこも十分な広さがあり、屋内に5mの初速に加えて、10mごとにのスピードを計測するシステムも設置されている。1カ月に1回、アスレチックトレーニングの一環で数値を図っているという。 フィットネスルームではビデオですべての動作が確認され、プログラミングされている。選手はタブレットで取り組むべきメニューを選び、監督やコーチからのフィードバックもすぐに目にできる。選手のデータはそれぞれが保有するチップで登録され、すべてが管轄される。 それにしてもどこもかしこもキレイで充実した施設が並ぶ。さらに宮沢が「ここは面白いですよ」と言って通されたのは人工芝が引かれた小さなコート。直径10m小さな円形のピッチの周りに360度のモニターがあり、天井からハイスピードカメラがボールと選手を追跡・測定し、2階からはピッチでの動きが確認できる。パッと見は何かの実験室のように感じる。 ここは「SoccerBot360(サッカーボット360)」という最新の認知トレーニング施設だ。6つのプロジェクターからモニターにさまざまな映像が写し出され、選手個々に課題に応じたトレーニングを行う。例えばいくつかのミニゴールが映し出され、選手はボールを受けると瞬時に指定されたゴールにボールを決めなければならない。 選手の動きは高性能ハイスピードカメラで撮影され、分析されていく。選手がどれだけ素早く正確に鋭いパスを放っていたのか、どのくらいの頻度で苦手としている足でプレーしていたのか、どのくらいトラップからパスまでの流れをスムーズに行っていたのか。360度の視野の確保、予測、プレー判断・実行のあらゆるデータが収集される。