【日本ハム】光った貢献 チーム一筋39歳投手の熱投が話題「本当に粋」「涙出た」
CSファイナルS進出を決めたのは日本ハムだった。 ロッテと1勝1敗のタイで迎えた10月14日のCSファーストS第3戦(エスコンフィールド)。第2戦でも8回から本来は先発の左腕・山崎福也を投入。ロングリリーフを任せて終盤の逆転に結び付けたが、この日もサプライズ起用が待っていた。 【動画】最後はベテラン宮西が締めた!CS初セーブを記録したシーン 2-2で迎えた5回二死一塁の場面でコールされたのは、守護神の田中正義。今季20セーブをマークした剛腕は迎えた相手4番のネフタリ・ソトに対し156キロ直球で3球三振に打ち取った。球場内の興奮も最高潮となる中、6回もマウンドに上がり、三者凡退と仕事を果たした。 その後、7回に水野達稀の適時三塁打が飛び出し、2点をリード。8回にも万波中正が適時打をマークし、ロッテを突き放す。 さらに9回にもドラマは待っていた。3点をリードした場面でコールされたのは今季節目の400ホールドをマークした、日本ハム一筋、プロ17年目の救援左腕・宮西尚生だった。 宮西といえば、2018年7月に巨人で活躍した山口鉄也氏が持っていた通算273ホールドを抜いた後は、自らの記録を更新し続けるという、まさに前人未踏の道を歩んでいることで知られる。 9回の場面、ベテラン左腕がコールされると本拠地は大歓声に包まれた。テンポ良く投げ、わずか8球でロッテ打線を三者凡退に抑え、最後をしっかり締めた。宮西にとってはCS初セーブとなった。 CSにおいては昨年最終Sで3セーブのオリックス・平野佳寿が39歳7か月でマークしており、39歳4か月の宮西は、平野に次ぐ史上2位となる年長記録ともなった。 試合後のヒーローインタビューでは感慨もにじませた。 「ここ数年のことを考えると、今この舞台、こういうヒーローインタビューの場所に立てているっていうのは本当に思いもしなかった。すごくうれしいです」ときっぱり。 球界を代表するセットアッパーとして知られ、勝利の方程式の一員として、長くチームを支えてきた左腕も近年は苦しい時間が続いた。 22年オフには2億円減となる大減俸も経験した。同年は左ひじ痛を抱え、24試合の登板で終了。9月には自身3度目の左ひじの手術を行うなど、満身創痍だった。 そんな中、今季は30試合に登板、防御率「2.10」と持ち味の安定感あるピッチングが復活。チームの快進撃に一役買った。 今年のチームの躍進、成長に関しては「本当にみんな一生懸命だし、絶対成長するって思っていた。ここまで成長したのは、本当に監督のおかげだと思います」と新庄監督に感謝の気持ちを語ることも忘れなかった。 そして、改めて宮西の「8球」には新庄監督が大事な最後を託したことも含め、SNS上でも絆の深さに「本当に粋」という声や、「コールされた時点で涙出た」「頼れるベテラン!」という声が続々と上がっている。 チームは16日から、王者ソフトバンクとのCSファイナルSを相手本拠地で戦う。チームの合言葉となっている「行くだけー!!」の勢いはどこまで続くのか。引き続き、目が離せない試合となりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]