「ヒゲキャップ・ブラザーズって何者?」野球の未来と真剣に向き合う男たちの取り組み
~野球に関わる大人が情報を常にアップデートする必要がある
ヒゲキャップはYouTubeラジオ内において、常に指導者や保護者といった大人を意識して話をしているという。 「ラジオは大人の方々に聞いて欲しい。指導者やコーチ、保護者や地域の大人の方々等、子供たちと関わる全ての人々です。『今の野球における技術や環境がどうなっているのか?』をしっかり伝えたいです」(菊池氏) 「大人の方々にアップデートして欲しい。子供たちに伝える側の人間(=大人)が変わらないと変化も生じない。自分たちが知っている野球が今の時代に即しているのかを常に考える。それができないと子供たちには伝わらないし見透かされてしまいます」(川上氏) 「時代は常に動いていますから」と考えるからこそ、野球の現在を伝えるためのラジオの重要性を口にする。 「個人のSNSやYouTubeだとスキルに関するものが中心になる。でも、ヒゲキャップでは野球を取り巻く全ての事柄についてリアルタイムで語れます。またラジオはリスナーからメール等でダイレクトの意見や質問を即座にもらえます。それに1つずつ答えていくことが選手たちに少しでもプラスになってくれれば」(菊池氏) 「さまざまな人の耳にオートマチックで入るラジオにできればと思います。『地方局でも良いのでコーナーとか持てないかな…』と夢も持っています。バッティングセンターの空き時間に流してもらえる環境などでも最高。多くの関係者や保護者の方々が、自然に耳にしてくれるようになれば」(川上氏)
現時点で考える、「子供たちが野球を好きになる」ために少しでも変わって欲しい部分についても語ってくれた。 「一生懸命、野球に取り組んでも試合に出られなければ面白くない。どんなレベルの選手でも1試合でも多く試合ができるようにしたい。練習は手伝いのみ、試合はスタンドでの応援だけでは、他の競技やエンタメに興味が移っても仕方がない」(菊池氏) 「自分自身のために野球をやって欲しい。ベンチの指導者やスタンドにいる保護者の顔色を伺ってやっても面白くない。『結果が良くても悪くても全ては自己責任』と考え、自分自身のためにボールを追いかけられる環境になることを望みます」(川上氏) 「ラジオをあと30年くらいやったら変わると信じています」と2人は口を揃える。 伝統と歴史によって構築された環境を変化させるには、相当の労力と時間がかかることは認識している。しかし、諦めることなく継続していくことが大事だと信じている。 「ヒゲキャップ・ブラザーズには確固たる決意と覚悟がある。野球を好きな子供たちが1人でも増えるよう、今日もアップデートと発信を重ねる。 (取材/文・山岡則夫、取材協力/写真・ヒゲキャップ・ブラザーズ)