「ヒゲキャップ・ブラザーズって何者?」野球の未来と真剣に向き合う男たちの取り組み
~野球を好きになれば間違いなく上達するはず
「『正しい知識を持ってアプローチする指導者が増えて欲しい』という思いが、健輔さんと全く同じでした」 菊池氏は「野球スキルコーチ」を職業としている。高校教師の職を自ら辞して渡米、ニュージャージー州の複数アカデミーで個人レッスンにおけるコーチング知識を学んだ。日米の野球技術や文化の違いに向い合いつつ、T-Academy代表としてYouTube「タクトtv」での動画配信をしつつレッスンも行なう。 「野球技術、知識、情報は常に進化を続けています。常に最新のものを正確に伝え、1人でも多くの選手がスキルアップすることを目指したいです。若年層には正しい知識を持ったスキルコーチが絶対に必要なはず」 アマチュア時代は頂点を目指してプレーに没頭した。福島・光南高3年時は四番・捕手として県大会準優勝。富士大では明治神宮大会5度出場、西武・外崎修汰は同学年、ソフトバンク・山川穂高は1年先輩に当たる。 「日本野球は素晴らしい部分がたくさんありますが、米国を参考にすべき部分も残っています。スキルコーチは日本球界では馴染みがないですが米国では当たり前の職業。役割や立場が明確で、非常に重要なポジションです」 「技術を学ぶ機会がないまま才能だけで高校、大学、プロと野球を続けて行くのは良くない。また、技術的に未熟な選手でも、将来的に伸びる過程を作り出す必要もあります。レッスンで上達して結果を出す選手がジュニア世代で増えれば、野球界のボトムアップにも繋がるはずです」 高校教師時代、自分自身が経験や薄い知識で指導をしていることに気付く。指導者が常に最先端にいることで、選手たちは野球への興味をより深めて楽しめるはずだと感じた。 「スキルコーチはリアルタイムの技術や情報を持っていないといけません。また積極的に選手との距離を縮めて信頼関係を作ることも重要です。声をかけられると選手たちは嬉しそうにしてくれる。野球を好きになれば間違いなく上達すると思います」