ママ界隈の複雑な“ネイビー事情”。「好きな服を着てください」の一声にネイビーのママたちが震撼した理由
そもそも、なぜネイビー服なのか?
では、そもそもなぜネイビー服がこれほどママたちに定着したのでしょうか? 少し驚いたのですが、実は学校側から特に「ネイビーを着るように」と定めているわけでも、母親の服の色を制限しているわけでもないそうです。 とはいえ、「母親としての装い」「母親らしい装い」「華美ではなく」という文言は説明会などでたびたび出るそうで、ネイビーの上品な服を着るのがいわば暗黙のルールとなったのだとか。(ちなみに「黒」は弔事を連想させるため避けることが多いようです)子どものお手本である母親が、自分の外見に気を取られすぎたり、優先するのは基本的に良しとはされないので、送迎時のネイビー服にジュエリーを合わせることも滅多にないと知人に聞きました。 ちなみに「ネイビー」と調べると、英語では「海軍」という単語が出てきます。色の「ネイビー」は「ネイビーブルー」の略で、語源はイギリス海軍の濃紺の制服がきているんですね。警察などの制服にもネイビーが多いのは、威厳や品格、凛としたイメージを感じさせるから。その延長で、学校の制服やセレモニー時の母親の装いにもネイビー服が定着したようです。 たしかに納得です。「きちんと感」「品格」を出すのであれば、やはりネイビーの服を着るのが手取り早いでしょう。
なぜここにきて「ネイビーを辞めましょう」の流れが?
そんなネイビー服ですが、最近お子さんを私立幼稚園に通わせているという知人たちから興味深い話を聞きました。 なんと一部の学校で「親御さんはネイビーの服ばかりでなく、好きな服を着てください」という通達があったそうです。理由は、「無理にネイビー服に縛られなくても大丈夫ですよ」というシンプルなものから、「お母さんが暗い色の服ばかり着ていると、子どもの気持ちも暗くなる可能性がある。お母さんが好きな色の好きな服を自由に選ぶ姿を子どもにも見せてあげてください」というものもあったそう。 この話を聞いて、完全な外野ではありますが、私は咄嗟に「時代の変化はこんなところにも現れるんだ。自由が増えるのはきっと良いことだなあ」なんて能天気に思いました。 ところが当事者の多くの母親たちは、正直なところこの流れに戸惑っているようです。というのも、これまで「母親らしさ」「子どもを差し置いて主張しない」「華美ではなく」「目立たない」を突き詰め、ネイビー服を何着も揃え、髪も黒く染め、ロゴのない同じくネイビーや黒のバッグを持っていた母親たち(噂によると、近年流行の美容医療もあまりやりすぎると「自己主張の強い母親」と見なされ、お受験などに不利に働くよう……)。