ママ界隈の複雑な“ネイビー事情”。「好きな服を着てください」の一声にネイビーのママたちが震撼した理由
そして「好きな服を」と言ってくれつつも、とはいえ「母親らしい」「華美ではない」というルールは残っているようなのです。要は、かなり難易度の高いオファーなんですね。 もちろん、突然ミニスカートなどの露出度の高い服(なんて着る人はいないでしょうが)で送迎をされても困るのでそうした規定があるのだと思いますが、母親たちは周囲を観察しつつ、ネイビー以外の服を着る失敗を恐れ、結局依然として皆ネイビーを着続けることが多いのだそう。 言われてみれば、たしかにこれは難易度の高いファッションです。 結婚式などの冠婚葬祭にも実に様々なルールがありますが、少々面倒だとは思いつつ、やはり間違えると恥ずかしいですし、周囲に世間知らずな印象を与えたり、ましてや失礼に当たるのは避けたいところ。だからネイビーで無難にやり過ごしていたのに、中途半端な選択肢を与えられても逆に困ってしまうのです。 この話をファッション関係の知人にしたところ、「華美ではないって、何なんだろう。そうやって女性を制限するなら、結局『好きな服』だとは思えない」と言っていました。たしかに。ママたちも「もうスタイリストさんをつけたい」「時間を見つけてデパートに相談に行く」なんて話していたので、やはり本質的には学校側の言う「好きな服」ではなさそうという印象です。
構成・文/山本理沙
山本 理沙