「笑顔でお声がけしても無視」「イヤホンでシャットアウト」…素っ気ないお客様の心を動かすフレーズとは?【元ルイ・ヴィトン トップ販売員が解説】
イヤホンをしているお客様への対応は?
それでも、なかなかお声がけできないという人は、「お客様の気持ち・空気を無視して押し売りしている」「会社がすすめてというからすすめている」という感覚があり、そんな行動をとっている自分に違和感を覚えているのかもしれません。 この感覚は、「すべてのお客様に、今日何か買っていただかなければ」という意識を変えることでなくなります。もちろん販売員である以上、ご購入いただけるのは素晴らしいことです。ただ、お客様に心地よく過ごしてもらうこと、楽しんでもらうことの先に結果があるので、「今日売る」ことをゴールに設定しなくていいのです。 その意識があれば、お声がけするときも、せっかくご来店くださったお客様に「ようこそ我が家へ」とお迎えしたい、ただその気持ちで歓迎の言葉を伝えることができるはずです。 これは、イヤホンをしているお客様でも同様です。「音楽を聴いているのかな、話しかけられたくないのかな」と私も店頭に立ちながら思うことがありました。 しかし、私はいつも通りお声がけしていました。私の存在に気づきイヤホンを外してくだされば、「失礼しました。ありがとうございます」と、わざわざ外してくれたことへの感謝をお伝えし、「ぜひごゆっくりご覧ください。何かあればお手伝いしますので、おっしゃってくださいね」と笑顔で歓迎の言葉をお伝えします。 そして、そこで反応がなくても落ち込まずに、目が留まっているもの、手で触れているものをよく観察しながら見守り、次のセカンドアプローチに備えましょう。 土井 美和 株式会社Clienteling Advisory 代表取締役
土井 美和