【解説】なぜ?賞金順24番目のロジリオンが16頭立てで出走可能となったワケとは…/京都金杯
ハンデ戦の妙だ-。 京都金杯(G3、芝1600メートル、5日=中京)でロジリオン(牡4、古賀)が出走馬16頭に名を連ねた。出走馬決定賞金順では登録馬28頭中24番目で除外対象。同16番目のキープカルムが出走可能となっていた。ただ、ハンデ戦は登録後に発表されるハンデ上位3頭に優先出走権が与えられる仕組み。そのハンデは実際にレースで背負う負担重量ではなく、ハンデキャッパーが定めた「加算ハンデ」によって順位がつけられる。 「加算ハンデ」とは実質的なハンデとも言い換えられる。1月時点での平地戦定量(かっこ内は牝馬)は3歳は57キロ(55キロ)、4歳は1400メートル未満が58キロ(56キロ)、1400メートル以上が57キロ(55キロ)、5歳以上は一律58キロ(56キロ)と決まっている。レースで実際に背負う斤量は「加算ハンデ」から定量を加味したものとなる。なお、「加算ハンデ」は出走ハンデ決定時に美浦、栗東各トレセン内では掲示される。 話を戻すと、京都金杯の「加算ハンデ」上位はサクラトゥジュール、ウォーターリヒト、オーキッドロマンス、ロジリオンの58キロ。この4頭の中から出走馬発表直前に機械で抽選がかけられ、3頭が優先出走権を得る。今回は4分の3の抽選でサクラトゥジュール、オーキッドロマンス、ロジリオンが優先出走権を獲得。賞金順では24番目のロジリオンが出走を決め、出走賞金決定順16番目のキープカルムが繰り下がり、除外された。サクラトゥジュールは8歳せん馬。定量を加味しても変わらず「加算ハンデ」と同じ58キロで出走。4歳牡馬のオーキッドロマンス、ロジリオンは定量を加味し、「加算ハンデ」から1キロ減の57キロで出走となる。 一般的には賞金上位がハンデ上位となるため「加算ハンデ」が話題になることはあまりなかった。今回のロジリオンでいえば全2勝が2歳時の未勝利戦、リステッド戦である中、G1のNHKマイルC3着をはじめ、G2、G3で3、4着を繰り返し、賞金を積めないまでも強敵相手に善戦を重ねてきたことなどが一因に挙げられる。 難解なハンデ戦を攻略するためには「加算ハンデ」の概念を頭に入れておく必要がありそうだ。