与論町に大雨特別警報 住家浸水29棟、土砂崩れも 24時間で過去最多594ミリ
鹿児島県奄美地方は8日から9日にかけて暖かく湿った空気の影響で大気の状態が非常に不安定となり、各地で大雨が降った。気象庁は9日午前2時40分、線状降水帯の発生による猛烈な雨が降っているとして、与論町に対し、最も警戒レベルが高い「大雨特別警報」を発表した。名瀬測候所によると、奄美地方への大雨特別警報の発表は今回が初めて。与論町によると、同日午後4時までに町内で床上浸水20棟、床下浸水9棟の住家被害を確認した。島内では土砂崩れや道路の冠水も発生したが、けが人などの情報はないという。 気象庁によると、与論町では、9日午前8時20分までの24時間降水量が統計開始以来、最も多い594ミリを観測。7日の降り始めからの雨量は600ミリを超えた。 この大雨の影響で、同町では立長の県道沿いを含む3カ所で土砂崩れが発生したほか、少なくとも30カ所以上で道路が冠水。9日午後4時現在、土砂崩れや冠水の影響で通行止めが続いている道路が複数ある。 町内の10カ所に避難所が開設され、住民4人が一時、避難した。県や与論町は8日以降、災害対策本部を立ち上げ、情報収集などの対応に当たった。 気象庁は9日午後2時に与論町に出していた特別警報を、「大雨警報」に切り替えた。