防衛装備品の海外移転が切り開く「情報共有パートナー連盟」という新戦略
ウクライナに提供される予定の高機動車(左上)と1/2tトラック(右下)[陸上自衛隊HPより]
ロシアのウクライナ侵攻から 既に1年3カ月近く になるが、自民・公明両党は、やっと防衛装備品の海外移転に関する「防衛装備移転三原則」を見直す協議を始めた。殺傷能力のある装備品の輸出を初めて認めるかどうかが焦点となるだろう。昨年12月、政府が閣議決定した「国家安全保障戦略」には、防衛装備品の海外移転は、侵略や武力による威嚇を受けている国への重要な支援になるとして、移転のルールを厳格に定めた「防衛装備移転三原則」の運用指針などを見直す方針を示している。自民党内には、速やかに一定の結論を出すべきだという意見がある一方、 公明党内には慎重な意見も根強い 。海外への装備移転は、紛争を助長するおそれがあり、慎重にすべきという考えを反映しているのだろう。 そもそも、なぜこれまで防衛装備品の海外移転を厳格に管理してきたのか。その原則を打ち出したのは、1967年、佐藤栄作内閣の国会答弁によってである。その答弁において、共産圏諸国、国連決議による禁輸国、国際紛争当事国等には武器の輸出を認めないという原則を明確にした。言い換えれば、この時点では、それ以外の地域については武器の輸出を認めていた。
本文:3,233文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
岩田清文