鍵山優真が初V 羽生、宇野から「日本のエース」受け継いだ! 「全日本」史上2組目父子制覇に正和コーチ涙…/フィギュア
フィギュアスケート・全日本選手権第2日(21日、東和薬品ラクタブドーム)男子の鍵山優真(21)=オリエンタルバイオ・中京大=がショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位の合計297・73点で初優勝。全日本3連覇の父、正和コーチとの父子Vを達成し、来年3月の世界選手権(米ボストン)代表に決まった。中田璃士(りお、16)=TOKIOインカラミ=が2位で、19年大会の鍵山以来となるジュニアでの表彰台となった。ペアSPは三浦璃来(23)、木原龍一(32)=ともに木下グループ=組が74・16点で首位発進した。 熱気を帯びた体をリンクの氷が包んだ。大の字に寝そべり、鍵山が両手を突き上げる。7度目の挑戦で、ついに手にした全日本王者。狙った大会で狙った通りの結果を出した。 「昌磨さん(宇野が大の字になる)のを見て、いい演技をしたらやってみたかった。フリーはSPの悔しさを晴らせる演技ができた」 20日のSPは首位発進も、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒するミス。それでも引きずることなく自分の演技に集中した。 自身の演技前にライバルたちが次々とミスを重ねるなか、苦戦してきた冒頭の4回転フリップ、続く4回転サルコーを鮮やかに着氷した。後半は足の疲労からわずかにミスも出たが「自分に勝てた」と胸を張った。 全日本で男子は、2012年から12大会に渡り羽生結弦と宇野昌磨が6度ずつ、優勝を分け合ってきた。2人が引退し、新エースの鍵山が、重圧を一身に背負った。今季は練習からうまくいかないことも多かったが、「くじけている間にみんなが頑張っている」。同年代のライバルを頭に浮かべ、気持ちを奮い立たせた。 父の正和コーチ(53)は、1991年大会から全日本を3連覇。優真が初優勝し、2010年の小塚崇彦以来2人目となる父子Vの快挙も達成した。「久しぶりに父が涙してくれた。一番、毎日そばで見てくれている。いい演技を届けられてうれしい」と親子で熱い抱擁を交わした。 来年3月の世界選手権は前回覇者のイリア・マリニン(米国)に挑む。全日本の新王者は「ここからが勝負」。今度は世界一への戦いが始まる。(角かずみ)