FOMC議事要旨:利下げ幅巡り活発な議論、大幅利下げに異論も
金利先物市場によると、9月の大幅利下げ後、年内残り2回の会合でそれぞれ0.25ポイントの利下げがあると予想されている。
金融当局にとって課題の1つは、いわゆる中立金利(景気を刺激も抑制もしない借り入れコストの水準)が明確でないことだ。長期金利見通しの中央値はここ数四半期で着実に上昇しているが、9月の予測では2.4~3.8%と、幅広かった。
議事録によると、当局者は金融政策が景気に「抑制的」だとみなしているが、景気は底堅く推移しており、「抑制の程度については見解に幅がある」という。
パウエル議長は、インフレ率を目標である2%に低下させることを優先しているが、その過程で景気が腰折れすることは避けたいと考えている。会合後の記者会見でパウエル議長は、雇用市場のさらなる軟化を警戒しての措置だと説明した。
労働市場
FOMC会合前の9月初旬に発表された8月雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回り、6、7月分も下方修正された。
関連記事:米雇用者数の伸び、市場予想に届かず-利下げ幅巡る議論活発化へ
議事録によると、失業率のFRBスタッフ予測は若干の上昇にとどまったものの、労働市場の軟化を受けて今年下半期の成長率見通しは「下方修正」された。
会合後に発表された9月の雇用統計は、雇用の力強さを示しており、失業率は4.1%に低下。雇用者数は25万4000人増加し、6カ月ぶりの大幅増となった。
関連記事:米雇用者数の伸び、9月は全予想上回る-失業率は4.1%に低下
FOMCはFRBのバランスシートについても議論した。議事要旨によると、「幾人かの参加者は、FRBのバランスシートの継続的な縮小は、委員会がフェデラルファンド(FF)金利の目標レンジを引き下げたとしても、当面は続く可能性があると伝えることの重要性について言及した」。
原題:Fed Minutes Show Robust Debate About Size of September Rate Cut(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Craig Torres