【宝塚巡業】スロー調整の照ノ富士がいきなりペースアップ!4カ月ぶりの実戦稽古で大の里と4勝4敗
両膝のケガなどで2場所連続で全休だった大相撲の横綱・照ノ富士(33=伊勢ケ浜親方)が12日、兵庫県宝塚市で行われた冬巡業で大関・大の里(24=二所ノ関部屋)と3番稽古を行い4勝4敗だった。関取衆と相撲を取るのは今年名古屋場所以来。 照ノ富士は関取衆の申し合いが始まると、花道で付け人の幕下・聖白鵬と立ち合いを確認を行うなど入念な調整に終始。大関3人が申し合い稽古を開始すると土俵に上がり、しばらくして大の里を指名し8番連続で取った。 「(実戦稽古の)初日だし、バチバチやる人とは避けた」と明かしたが、約4カ月ぶりの実戦稽古でいきなり大関と三番稽古。右の相四つで、自分の形になれば力強さを発揮できた反面、相手に上手を切られるとあっさり土俵を割る場面もあった。相手の圧力に耐えきれず、腰砕けで崩れた場面は周囲も騒然となったが、痛めている膝にはダメージがなく、最後は盤石の攻めで寄り切り4勝4敗で切り上げた。 名古屋場所後は夏巡業中に膝を痛めると、その後も糖尿病の回復が長引きペースダウン。秋場所、秋巡業、九州場所と相撲を取ることができなかったが、今巡業では時疾風に胸を出すなど土俵での稽古も復活。前日の赤穂巡業でも大関・琴桜の胸を借りてぶつかるなど少しづつペースアップしていた。支度部屋で取材に応じた横綱は終始表情は穏やか。「11月場所中も筋トレで追い込んでやってきた。(回復具合は)ちょっとづつね。だいぶ負けちゃったし、まだ硬いし動けないという感じ」と冷静に現状を分析した。 2024年は2度の優勝はあったものの「全然ダメ。4度も休場したし、体調を維持できなかったのはプロとして失格」と振り返る。この日は初場所(2025年1月12日初日、東京・両国国技館)の1カ月前。場所出場の意欲を問われると「いつも出たいと思っているよ」と明言を避けたが、復活への確かな足跡は残した自負は発散させていた。