マンガ家に“就職する” 夢を実現する条件とは?
少しずつ涼しくなり秋の訪れか感じられるようになりましたが、そろそろ就職活動を控えた学生は将来について考え始めているのではないでしょうか? 子どもの頃に描いた夢を目指す人や、進路に迷っている人もいるかもしれません。中には「マンガ家になりたい」という夢を描いている人がいるかもしれません。果たして、どうすればマンガ家になれるのでしょうか? 一流のマンガ家を編集者として支えてきた作家エージェントの佐渡島庸平さんに、「マンガ家」という職業選択について、そして仕事選びについて語ってもらいました。 ■マンガ家になるには? 佐渡島さんはマンガ家の条件を「マンガが好きで好きで仕方がない。気がつけばマンガのことを考えている、という人がなっているし、成功しているのでは」と分析します。例えば、「宇宙兄弟」の小山宙哉さん。作画だけで最低、週75時間、マンガに取り組んでいると言います。1日15時間×5日で75時間。朝から晩までマンガに没頭して、時には家族と過ごす時間さえマンガに割くことも少なくない。「小山さんの場合、仕事をしているという感じではないです。マンガをやること=好きなことをやる、という感覚なので、端から見ていると、遊びに夢中になっているという感じです」。 「Ns‘あおい」の、こしのりょうさんもマンガに対する愛情や、より良いものを作りたいという姿勢は並大抵ではないと言います。解説WEBマンガ「新抗体物語」は、製薬会社の協和発酵キリンと取り組んでいるもので、通常の雑誌などへの連載とは、一般的に性質が異なります。それでも「取っつきにくい免疫の仕組みをマンガで説明することで、どれだけの人に理解してもらえるか、という”“挑戦”に意義を感じ、取り組んでいるそうです。たとえば、修正依頼があった場合、客観的にみれば、指摘箇所だけ修正すれば問題ないようにも思えます。でも、こしのさんは、『そこを修正するなら、ここも直さなければ』と、作品作りへの妥協を許さない姿勢が常に見られます。すごい漫画家は、周りがどう言おうと、自分の納得がいくまで妥協しません」。